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川崎F優勝に“指揮者”家長あり。示し続けるアタッカーの矜持。
posted2021/11/26 07:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Getty Images
あくせくしないから、いいアクセントがつく。家長昭博の振る舞いはオーケストラを操る指揮者のようだ。ときにリズムを変え、ときに自分のポジションを変えてボールを触り、相手に流れを渡さない。守備でも味方がひと呼吸ついているところで敢えて自分だけがテンションをアゲて奪い切る。攻守にアグレッシブな“フロンターレ交響曲”は、彼がいるからこそ成立する。
川崎フロンターレは11月3日、浦和レッズと1-1で引き分けてリーグ2連覇を決めた。記録尽くめだった昨シーズンと同様の一人旅。田中碧、三笘薫ら主力が夏に欧州移籍で抜け、ケガ人が相次いで苦しい時期もあった。派手な勝ちっぷりは昨年より減ったものの、何より勝負強かった。鬼木達監督のマネジメントが光る一方、単調にならない変調とゲーム全体の構成力は35歳、家長なしでは語れなかった。