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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平は重度の心臓病と闘う“翔平ちゃん”を抱きしめた「あったかいね」…19日後、寄付金は3億5千万円に到達した
text by
川崎静葉Shizuha Kawasaki
photograph byShizuha & Taishi Kawasaki
posted2021/11/24 11:01
2019年1月、心臓移植手術を待つ川崎翔平ちゃん(中央)を励まそうと大阪府内の病院を訪れた大谷。面会の時間は1時間近くに及んだ
大谷選手が部屋に入ってきてから、翔平の手を握って、
「バイバイ、またね!」
と、去っていくまで1時間ちょっとだったと思います。
翔平にとって、こんなに大勢の人たちに会ったのは初めてのことです。もちろん私たち夫婦にとってもこの1時間は大事な大事な宝物になったのです――。
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「しょうへいくんを救う会」のホームページには、大谷選手から翔平ちゃんへの応援メッセージが掲載された。
《1日でも早く渡航して手術を受け、早く元気になって帰ってこられたらなと思っています》
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大谷選手がお見舞いに来てくださったことは、多くのテレビや新聞で報じられました。
寄付金が目標の3億5千万円についに達した
救う会のメンバーの気持ちも高揚しました。そして何よりも、街頭募金活動での反響も違います。
「翔平くん? 知ってる!」
「大谷選手と会った子や!」
募金をお願いするチラシを見て、皆さんがそんな声を上げてくれます。
きっと大谷選手のお人柄のおかげでしょう。応援してくださる声がグンッと増えたのです。救う会の事務局への電話も鳴りやまないぐらいです。
私たちも当日の記念撮影の写真を、翔平の病室にかざって、ずっと夢見心地でした。
寄付金が目標の3億5千万円についに達したのは1月24日、お見舞いから19日後のことです。
「翔平、よかったね!」
焦り続けた日々でしたから、本当にうれしかったです。
費用の面をクリアしたことで、先生方も急ピッチで事務手続きや手配を進めてくださって、テキサス州の小児病院も受け入れ態勢を整えてくれました。
あとは渡航するだけのはずだったのですが、ついに翔平が手術を受ける日は訪れなかったのです――。
<前編から読む>
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