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プロ野球PRESSBACK NUMBER
女性アナとプロ野球選手の結婚が減っている事情…「付き合ったら結婚するしかない」90年代、00年代にあった“現場の”価値観
posted2021/11/22 20:01
text by
近藤正高Masataka Kondo
photograph by
Sankei Shimbun
木場弘子の場合、結婚した翌年から夫の与田剛の成績が低迷し始めたため、世間から非難を浴びる。与田は現役時代に夫婦で登場した雑誌記事で、《結婚の翌年からまともな仕事ができていない。そういう表面的なことだけ見ると、結婚してダメになったと言われる。それが男としていちばんつらい。お互いが好きになって結婚したのに、僕と一緒になったばかりに彼女が責められる》と心中を明かした(『週刊朝日』1999年3月26日号)。
木場はこうした体験から、TBSの後輩である福島弓子がイチローと結婚するにあたり、《夫の調子がいい時は夫だけが褒められ、調子が悪くなると、決まって「結婚したからだ」と、妻が悪いと批判されます。家族も中傷や野次の対象になります。その重圧に耐えていかなければいけない。いろいろなことをあるがままに受け入れていかに早く開き直って生きていくかです》と、雑誌誌面を通じてアドバイスを送っている(『現代』2000年2月号)。
柴田倫世も交際期間まで含めると松坂との付き合いはすでに20年以上が経つ。最初にプロポーズを受けたのは、松坂が3年連続で最多勝のタイトルを獲得したシーズンオフだった。だが、このとき柴田は、彼に人間としていまより強くなってもらう必要があると思い、「いまはそのときではない」と返事を保留する。結局、2004年のアテネ五輪まで交際が続いていたら結婚しようと約束し、そのとおりになった。この間、松坂は彼女から借りた本を遠征先に持参するなどして、人間としての幅や精神的な豊かさを身につけたという(『AERA』2008年12月1日号)。結婚までじっくり時間をかけたことが、両者の絆を結果的に深めたのだろう。
「みるみる仕事が減っていきましたから」
元TBSの田口(旧姓・香川)恵美子も、オリックスの田口壮とは互いにバツイチ同士での再婚だったため、マスコミにはさんざん書かれたという。もともと2人は10年以上友人関係にあり、それぞれ別の相手と結婚した。その後、1998年に恵美子は《女子アナは一会社員のはずですが、いつの間にかタレントのように扱われるようになり、(中略)戸惑いがぬぐえず》(『週刊朝日』2005年3月11日号)、TBSを退職する。そのころには双方とも家庭生活がうまくいっておらず、やがて互いに相手と別れたあと、アメリカで偶然再会したのを機に結婚にいたる。