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西武《最高のドラフト》のウラ側…潮崎ディレクターが語る1位公表の理由と投手育成の課題「アマとプロの実力差が開いている」 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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posted2021/11/22 11:01

西武《最高のドラフト》のウラ側…潮崎ディレクターが語る1位公表の理由と投手育成の課題「アマとプロの実力差が開いている」<Number Web> photograph by KYODO

潮崎ディレクター(左)が「1位じゃないと獲得できない」と感じていた筑波大・佐藤隼輔をドラフト2巡目で指名。“最高のドラフト”と評価する声は多かった

 ここ数シーズン、ライオンズの課題として必ず挙げられるのが投手力の強化だ。

 今季は15年入団の高橋光成が11勝、17年入団の今井達也が8勝、19年入団の松本航が10勝と、ドラフト1巡目で入った投手がそれぞれキャリアハイの勝利数を残した。しかし、依然として先発ローテーションとして計算できる投手は少ないのが現状だ。

 一方、野手は昨年のドラフト上位ですでに補強しており、1巡目の渡部健人がイースタン・リーグで本塁打王を獲得し、3巡目の山村崇嘉はイースタン・リーグ85試合に出場。野手の育成が順調に進んでいることから、今年は再び投手中心の指名に戻ったと見られている。

「ここ数年、ドラ1の投手は一軍で活躍する機会が増えていますが、2位以下の投手となると、もどかしさを感じる結果となっています。潜在能力の高さに期待して獲得したものの、プロのレベルまで到達できない。1巡目に名前が挙がるような、総合力の高いピッチャーと比較すると、どうしてもまだプロには力が足らず……という現実は否めません。下位で獲得したピッチャーがもう少し活躍してくれるとチームの層が厚くなるんですけどね」

二軍・西口監督との連係「気心が知れた間柄」

 選手の能力を見極める力はもちろんだが、プロ入り後、どれだけその選手が成長できるかが重要だと潮崎氏は語る。

「これまでも当然、スカウトからコーチ陣などのチームスタッフに対しては、『こういうつもりで獲得したので、その方針を踏まえて指導していただけますか?』ということは、何度も、しっかりと伝えています。今年、指名した羽田慎之介投手(八王子高)や黒田将矢投手(八戸工大第一高)についても、将来を見据えて獲得した選手です。まだ現段階ではコーチ陣と話をするところまでは至っていませんが、追々、ミーティングを重ねる予定です。高校卒なのでたっぷり時間はあるし、大きくゆっくり育ってもらいたいと考えている投手ですから……。

 来季から二軍監督となる西口文也は、私からはいろいろ言いやすい相手。4つ年下で、現役時代は一緒に戦った仲間です。気心が知れた間柄なので、どんどん、うるさく言っていきたいですね(笑)」

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