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大谷翔平の神イラストや“珍”応援ボードが面白すぎ 「アロハSHOHEI」「私の誕生日が本塁打を打った」《現地撮25000枚から厳選》
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byNanae Suzuki
posted2021/11/21 17:01
キュートな笑顔でも日米のファンを魅了した大谷翔平。応援ボードもユニークなものがいっぱいだった
1)初期スタイル/「大谷=BIG VALLEY」?
2017年にエンゼルス入団が決まり、翌2018年にメジャー1年目の舞台に臨んだ大谷。入団当初は新参ということもあってか、ボードのメッセージは「Welcome」「大谷翔平選手がんばってください」という分かりやすいものが多かった。
また、日本ハム時代のチームカラーである青と黄色のシルエットに「大谷翔平」の文字を掲げる人もいた。
ボードの素材を見ると、段ボールや画用紙が多い。後述する2021年の応援ボードと比べるとシンプルではあるのだが、応援初期バージョンとしてファンも模索している段階だったのかもしれない。
個人的に気になったのが「神ってる!! 大谷 BIG VALLEY」である。
「大=BIG」、「谷=VALLEY」、これぞ、ザ・直訳。それにプラスして「神ってる」って確か、同世代だけど鈴木誠也を評した新語じゃなかったっけ……ただまあメジャー1年目序盤戦で大谷が残したインパクトは、今年と同じくまさに「神」級だったなと思い出した。
シーズンが進んでも大谷の打棒は止まらなかったわけだが、応援ボードにも徐々に創意工夫がなされていった。目に留まったのはシーズン終盤の9月の1枚。ファンが持っていたのは「Sho time 最高!!」のファンシーな文字とともに、ユニフォーム姿の大谷のイラストが。
大きさこそ他のボードに比べて控えめなものの、大谷の特徴をとらえている上にキュートで、描いたファンの愛情の深さを感じ取るばかりだ。
2年目の2019年、大谷は打者専念のシーズンでバッティングを磨き上げたが、応援ボードも呼応するかのように徐々に広がりを見せていた。「ENJOY 翔平」と書かれたうちわ、浴衣姿のファンが作った写真入り「OHTANI SAN」などがその代表例と言えるだろう。
2)無観客の2020年を経て、2021年「3つの進化」
2020年、大谷の写真こそあるが、ファンの写真は皆無だった。それもそのはず、60試合制で行われたMLBはレギュラーシーズンをすべて無観客試合で実施したからだ。昨年、大谷の写真を探す際に一抹の寂しさを感じていたが……眺め直してみても、やっぱりスポーツは楽しんでいる観客がいてこそのものだなと期せずして再確認した。
その溜まったうっぷんを晴らすかのように、2021年の大谷(と応援ボード)は大きく花開いた。グラウンド上での活躍はもはや説明不要かと思うが、応援ボードも明らかにバリエーションが増加しているのだ。
特に感じたことが3点ある。