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41歳遠藤保仁「彼がいたからこそやれた」 監督&チームメイトが証言する“ジュビロを変えた遠藤効果”とは?〈有言実行のJ1昇格〉
posted2021/11/20 11:03
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph by
Getty Images
試合終了のホイッスルが鳴り響くと、ピッチ上では磐田の選手たちの喜びが爆発した。一方でベンチ内にはいつもの軽いハイタッチで穏やかに昇格を喜ぶ姿があった。
チーム最年長の41歳、MF遠藤保仁である。
昨年10月に期限付き移籍でJ2の磐田に加入して約1年1カ月。先発したこの日は72分でベンチへ下がったが、前半早々に生まれた大事な先制弾は遠藤のショートコーナーから始まった。
「最大の目標だったので昇格できたことはうれしい。全員がハードワークをして、チームスタッフとお互いを信じてやってきた成果だ」(遠藤)
11月14日、アウェーの水戸戦。昇格に必要なのはわずかに勝点1だったが、チームが手を緩めることはなかった。前半12分に主将のDF大井健太郎が頭で先制すると、3分後の同15分にはMF大森昇太郎、さらに後半6分にも得点ランキング1位のFWルキアンが今季22点目でダメを押した。J2屈指を誇る自慢の攻撃陣が圧倒的な破壊力を見せつけて3-1と快勝し、3戦を残して昇格条件の2位以内が確定。3季ぶりのJ1復帰が決まった。遠藤を中心にチームが一体となり、全員が成長して勝ち取った昇格だった。
シーズン開幕は「想定外の船出」だった
加入2年目の今季、遠藤は故郷・鹿児島で初参加となったキャンプからシーズンをスタートさせた。その初日の1月28日はちょうど41歳の誕生日。オンラインで取材に応じると、明確な目標を掲げた。
「ここまで長く現役を続けられたのは、毎年が勝負だと思っているから。チームメイトとの競争に勝たなければ試合には出られないので、それが高いモチベーションになっている。いうまでもなく、今年最大の目標はJ1昇格。長いシーズンなのでいろいろとアクシデントはあると思うけど、目標を達成して最後は笑顔で終わりたい」