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〈独占〉村元哉中&高橋大輔が順調な国際大会デビュー…コーチ2人がここだけに明かす“強さの秘密”とは?「まだ、ほんの始まりです」
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2021/11/18 11:03
国際デビューとなったNHK杯にて6位入賞を果たした村元&高橋(SPでの演技)
「これはほんの始まり」とアシスタントコーチのトカチェンコ
同じくリモート取材に答えてくれた、技術面を担当するアシスタントコーチのイリヤ・トカチェンコは、こう意見を述べた。
「ステップなどは、確かに完璧ではなかった。でも他のエレメンツはタイミング良くこなしたと思います。最初の大きな大会としては、非常に完成度が高いものでした」
ロシア、イスラエル代表としてGP大会のメダルも手にしたことがあるトカチェンコは、村元と高橋がズエワのところに来た当初から指導に関わってきたという。今季のリズムダンスもフリーも、ステップシークエンスの部分の振付は彼の手によるものだ。
「これまでシングルからアイスダンスに転向した選手を、何人も見てきました。でもほとんどの選手はアイスダンスを舐めていた。ジャンプがないから楽だと思って来るんですよね。でもダイスケは、そうではありませんでした。最初から、アイスダンスの技術を学ぶことに真剣に向き合っていたのです」
そう説明するトカチェンコ。
「これはまだ、ほんの始まりですよ。彼らはこれからまだまだ点を伸ばしていけるチームですから。大会のたびに、点は上がっていくでしょう」と太鼓判を押した。
「もっと世界のジャッジとファンに知ってもらいたい」
二人に必要な次のステップは、どんなことだろう。ズエワコーチにそう聞くと、こう答えが返ってきた。
「さらに場数を踏むことですね。ワルシャワ杯も、経験を積むために出場を決めたのです。それと同時に、これほど素敵なチームであることを、もっともっと世界のジャッジとファンに知ってもらいたいと思っています」
11月18日から始まるチャレンジャーシリーズ、ワルシャワ杯のアイスダンスには25組が出場予定。ここでの顔ぶれを見ると、村元たちにとって表彰台は十分に射程距離内である。
今シーズン、彼らがどこまで羽ばたいていくのか、楽しみに見守っていきたい。
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