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【RIZIN】牛久絢太郎が王者・斎藤を“飛びヒザTKO”で衝撃の戴冠…マッチメイク「白紙」の大晦日、朝倉未来の対戦相手は誰になるのか?
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2021/11/02 11:01
『RIZIN.31』メインで牛久絢太郎の飛びヒザ蹴りがヒット、ベルトを手放した斎藤裕。大晦日のマッチメイクの行方は…
中村は参戦発表の会見で「RIZINのベルトを目指す」と明言している。金原は現在のフェザー級の活況を見ての参戦でもある。会見では「みんな横一線」だと語っていた。
この「横一線」という言葉は、10.24横浜大会後に榊原が引用していた。新鋭もベテランも存在感を見せ、メインでは王座交代、まさに横一線だ。この結果に、朝倉未来は「俺は誰でもいいから大晦日求める相手とやるよ」とツイートしている。自分の階級が“シャッフル”されたことを即座に感じ取ったのだ。
朝倉未来は大晦日に誰と闘うのか?
新チャンピオンになった牛久は、中村とDEEPで1勝1敗。ベルトを失った斎藤にしても、この結果をもってタイトル戦線脱落ではない。1ラウンドには「やはり強いな」と思わせる動きを見せたし、ここから“逆襲のドラマ”を見せることで求心力はさらに高まるだろう。格闘技において1敗は重い。それでも格闘技は負けたら終わりというだけではない。
主催者としては“朝倉未来、大晦日にベルトとリベンジをかけて大勝負”を実現させたかったはずだ。チャンピオンとしての斎藤の価値を上げることも狙っていた。榊原の言葉を借りれば、10.24横浜大会は斎藤に「オールベット」。大会ポスターも斎藤を単独でフィーチャーしたものだった。
「それが一気にガタガタと崩れ」たと榊原。飛びヒザ一発ですべての状況が変わったわけだ。
だが、それも含めて、榊原は今大会を「だからやめられない、という格闘技の魅力が全部詰まっていた」と言う。KO、一本決着が多く、アップセットが起こり、見応えがあったというだけでなく今後が気になる結果になったからだ。
「いろんなアップセットも起きて、これからどうまとめていくか。そこで我々のアイディア、知恵比べの部分になってくる」
つまり、格闘技イベントを運営する者としてはこれ以上ないほど腕のふるいがいがあるシチュエーションになったということだ。
朝倉未来は大晦日に誰と闘うのか。牛久の初防衛戦での挑戦者は。現在、RIZINとの契約が切れているというクレベルの戦列復帰はあるのか。中村、金原、白川それぞれの“次”も気になる。また榊原は、海外の選手の来日が可能になれば、来年はGP(世界トーナメント)を開催したい、その場合の有力候補となる階級はフェザーだともコメントしている。
そうなれば、ベルト争いだけでなくGP出場枠をかけた“潰し合い”が大晦日の焦点になるかもしれない。大晦日のマッチメイクは白紙。しかしそれは、役者が揃ってきたということでもあるのだ。かつてこの階級は“朝倉未来の階級”だったが、今は“朝倉未来もいるRIZINフェザー級”だ。
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