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「選手が監督に甘えすぎた」岩本勉が語る《球団最長政権》栗山監督の10年…“新庄剛志監督”に決まればどう変わる?
text by
岩本勉Tsutomu Iwamoto
photograph byKYODO
posted2021/10/28 11:03
2012年シーズンから10年にわたって日本ハムを指揮した栗山英樹監督。岩本勉が語るその“最大の功績”とは――
ただ一方で、こうも思うのです。先ほど言ったように、選手をいち大人として尊重して、対等なコミュニケーションを取るのが栗山監督流。いい大人が、厳しい監督でなければ気持ちが緩むなんてありえないことです。
誤解を恐れずに言いますが、近年の成績低迷は、選手たちが残した数字と直結しています。そしてその理由は、選手が監督に甘えすぎたからだと思います。この現実を選手たちが直視しないことには、来年以降もファイターズの成績が好転することはないですね。
今思い返すと栗山監督の10年間、「次はどんな新しいことをやってくるんだろう」とずっとワクワクしていました。一方で、私の発想が追いつかないこともあったので、栗山監督の戦術や起用法については、基本的に結果を見てからコメントするようにしていました。結果論で言うな、と思われるかもしれませんが、結果が出る前に“適当なこと”は言えませんから。
有力視される“新庄新監督”でどう変わる?
一部報道では新庄剛志の名前が次期監督の有力候補に上がっていましたね。まだ正式発表が出ていないのでなかなかコメントしづらいのですが、近年の低迷やコロナ禍で離れたファンを再度球場に呼び込むためには、最適な人選だと思います。
ひょっとすると、新庄持ち前のキャラのイメージが強くて、「面白そうだけどマネジメントは大丈夫だろうか」と思っている人も多いかもしれません。ですが、はっきり言っておきます。私は見ていたのでわかりますが、新庄はああ見えて練習の虫。日米通算1500安打を打っている男ですし、選手に求めるレベルは極めて高くなると思うので、「鬼の練習量」になると見ています。
メディアの前で冗談を言っているだけのように見えて、本質的な言葉がちりばめられているのも新庄節。23年に開業する新球場のベンチで、新庄が選手に指示を出す――夢があっていいじゃないですか。
(構成/田中仰)