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松山英樹を奮い立たせた「プライド」と「がんばれ!」…“地の利”を凌駕した世界基準のスーパーショットが生まれた理由 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byGetty Images

posted2021/10/27 06:00

松山英樹を奮い立たせた「プライド」と「がんばれ!」…“地の利”を凌駕した世界基準のスーパーショットが生まれた理由<Number Web> photograph by Getty Images

イーグルパットへ芝目を読む松山英樹。早藤キャディ(後方)も優勝を手繰り寄せるスーパーショットに驚きを隠せない様子だった

 さて、こう書き連ねていると、松山はどうもホームアドバンテージ“だけ”で勝ったようなきらいがある。だが72ホール目で見せた渾身の第2打はやはり、地の利を凌駕したスーパーショットだった。

 フェアウェイから右奥に配置されているグリーン。ピンまでは残り240ydあまり。週を通じて判断が難しかった風は左から吹いた。後続との差もあり、セオリーではフラッグの左側、手前のフェアウェイに置ければ“ゲームオーバー”。演目は終わりである。

 それがどうだ。5番ウッドで放たれたカットボールは左からピンを目がけて突き進み、グリーン上に弾痕を残した。ロープサイドで響く「マツヤマ!」の大向こう。左手のグローブを外し、大見得を切るように歩く松山の後ろで、黒いビブスの早藤キャディは思わずにはいられなかった。

「この場面で、コレを打てちゃうんだ。すげえ……! スーパースターだ」

 勝負を決めたあのひと振りは、僕らの贔屓目でなく、紛れもない世界基準。長年連れ添う黒子の想像の域すら超えたのだから。

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