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〈武道館でサプライズ復帰〉4年前、緊急開頭手術→欠場中だった柴田勝頼に天龍源一郎が送ったエール「みんなお前のことを忘れてないよ」
posted2021/10/26 17:02
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Essei Hara
まったく予告なしのサプライズだった。
『G1 CLIMAX 31』優勝決定戦が行われた新日本プロレスの10・21日本武道館大会。第3試合終了後の休憩明けに、まずザック・セイバーJr.が、いつもと違う白のトレーニング用ハーフパンツで入場。続いて久しぶりに聴く『Takeover』のテーマ曲に乗って、日の丸の刺繍が施された黒のハーフパンツ姿の柴田勝頼がリングイン。そのまま5分間のグラップリング(組み技限定)ルールでのエキシビションマッチが行われた。
4年半前の“悲劇”からの復活
柴田は今から4年半前の2017年、4・9両国国技館でオカダ・カズチカの持つIWGPヘビー級タイトルに挑戦。昭和・新日本が持っていた“闘う魂”に強いこだわりを持つ柴田は、現代プロレスを体現する王者オカダ・カズチカと、お互いの価値観をぶつけ合うような真っ向勝負を展開。38分に及ぶ激闘の末に敗れたもののデビュー以来最高とも言える名勝負をやってのけた。
しかし試合後、柴田を悲劇が襲う。バックステージで動けなくなり、そのまま救急搬送。急性硬膜下血腫と診断され、緊急開頭手術は成功したものの、以降、長期欠場を続けていた。今回はエキシビションとはいえ、あのオカダ戦以来、約4年半ぶりの“試合”だった。
欠場期間中も新日本のロサンゼルス道場でヘッドコーチを務めながらトレーニングを続けていた柴田は、ザックとのエキシビションで長い間リングを離れていたとは思えぬ攻防を展開。こだわりの技である卍固めも披露してみせた。