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〈武道館でサプライズ復帰〉4年前、緊急開頭手術→欠場中だった柴田勝頼に天龍源一郎が送ったエール「みんなお前のことを忘れてないよ」
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byEssei Hara
posted2021/10/26 17:02
新日本プロレス10・21日本武道館大会にて、サプライズ復帰を果たした柴田勝頼
天龍源一郎が4年前に柴田に送っていた“エール”
それでも、かつて「俺の生きる場所は、あそこ(リング)しかねえんだよ!」と地声で叫んだ男は、闘いの場に舞い戻ろうとしている。
4年前、僕が『Number PLUS』で天龍源一郎にインタビューした際、欠場中の柴田に次のようなエールを送っている。ファンの気持ちを代弁したような言葉なので、あらためて紹介しておこう。
「俺から言えることは、早く元気になって戻ってきてほしいということだけだよ。いま、彼が実際どんな状態なのか、俺はわからない。もしかしたら、もう前みたいな試合はできないのかもしれない。それでもリングに戻ってきてほしいよ。次にリングに上がったら、試合に勝とうが負けようが、きっとファンは支持してくれる。戻ってきた彼に対して、そこまでの目に見えない努力をわかってくれる。俺はプロレスファンの、その温かい部分が好きなんだよ。
引退前、もう身体がボロボロで昔の天龍の試合ができなくなった俺に対しても、ファンはそれが今の天龍の精一杯のプロレスだって理解して拍手をくれた。それを知っているからこそ、柴田にももう一度、リングに立ってほしいと思う。たった1試合だけでもいい。ファンは柴田に心からの声援を送ってくれるだろうし、それがあいつの明日へのエネルギーになるんだよ。だから、とにかくリングに戻って、リングアナウンサーのコールを受けてほしい。みんなお前のことを忘れてないよ。また黒パンツ一丁でリングに上がって、男の生き様見せてくれるって、俺は信じてるよ!」
柴田勝頼が黒パンツ一丁でリングに戻る日は、確実に近づいてきている。