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「藤井さんと同じ経験値は羽生さんくらい」「大谷選手と少し共通する」 谷川浩司が語った《2カ月で25対局》伝説と“19歳の藤井聡太”観
text by
谷川浩司+大川慎太郎Koji Tanigawa + Shintaro Ohkawa
photograph byTadashi Shirasawa/Kyodo News/Nanae Suzuki
posted2021/10/23 06:01
藤井聡太三冠の持つスター性。それは羽生善治、大谷翔平と似たものがあるのかもしれない
最年少名人は厳しい道。ただ大谷選手と同じく……
大川 そして10代であれだけ結果を出せて、浮ついたところが何もないのがまた……という。谷川先生の書籍でも触れられていて、ファンの方も注目している点が1つあります。谷川先生が持っていらっしゃる、最年少名人の記録を藤井さんが抜くかどうか……意地悪な質問になってしまいますが、谷川先生はどのようにお感じでしょうか。
谷川 その質問が来ましたか(笑)。ただ最近(最年少名人について)聞かれることが少しずつ増えてきましたね。1カ月ほど前に「可能性は何%ぐらいありますか」との質問を受けました。ただ当然、B級1組、A級棋士、そして名人――これまでの名人もいるわけですからね。あまり高い数字を言ってはいけないのかな、という気がしています。
大川 B級1組、A級、名人戦すべて、1期ごとに勝ち上がらないと更新できない記録ですからね。
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谷川 私が4月生まれで、藤井さんが7月生まれで、名人戦は4月から6月にあります。当時の私は21歳2カ月でしたが、藤井さんがすべてストレートでいけば、3~4カ月ほど更新できる計算になります。ただやはり……厳しい道であるのは確かです。
大川 簡単ではないですよね。
谷川 ただ、簡単ではないことを全てクリアして、私たちの予想を超える活躍をしてきたのが藤井さんです。そういう意味では――メジャーで活躍している大谷(翔平)選手と少し共通する部分もあるかなと思っているんですよ。(構成/茂野聡士)
<大棋士の勝ち越し数編に続く>
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