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“幻の代表監督”ベンゲルが71歳に 19年前に語っていた本音「もし選択する日が来たら、日本代表を選ぶと思うよ」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/10/22 11:01

“幻の代表監督”ベンゲルが71歳に 19年前に語っていた本音「もし選択する日が来たら、日本代表を選ぶと思うよ」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

本日10月22日はアーセン・べンゲルの72回目の誕生日である

 コートジボワール、ギリシャ、コロンビアとのグループリーグで、日本は打ちのめされた。1分2敗に終わり、選手たちは打ちひしがれていた。

 同じような状態のチームを率いた経験が、ベンゲルにはある。95年のグランパスだ。ここで彼は、日本人のメンタリティの本質に触れる。お互いを助け合って組織的に戦える一方で、失敗を恐れる傾向が強いことを知った。ベンゲルならブラジルで失意を味わった選手たちに、自信を取り戻すきっかけを与えることができただろう。そのうえで、現代的な戦術を授けることができたはずだ。

 ザッケローニからバトンを託されたハビエル・アギーレは、母国メキシコの監督としてW杯で2度指揮を執った。アギーレの予期せぬ解任で後任に指名されたヴァイッド・ハリルホジッチも、14年のW杯でアルジェリアを16強へ導いた。イタリア国内のクラブで指導キャリアを積んだザッケローニになかった経験があるとして、アギーレとハリルホジッチは日本代表監督にセレクトされた。

 ベンゲルには代表監督の経験がない。W杯は未知の舞台だ。しかしながら、競争力の高いプレミアリーグで、様々な国から集まる監督たちと渡り合ってきた。チャンピオンズリーグでも、多様なシチュエーションのなかで戦っている。ベンチワークの引き出しは多い。相手チームの監督との即断即決の攻防で、後手にまわることはないだろう。もちろん、日本人選手のプレースタイルとメンタリティを理解したチーム作りが期待できたはずだ。

19年からはFIFAで活躍しているが…

 17-18シーズンを最後に、ベンゲルはアーセナルを離れた。19年から国際サッカー連盟(FIFA)などを舞台に活躍し、最近ではW杯の隔年開催案を主導している。

 また、FC東京が新シーズンに向けてアドバイザー的なポストを用意しているとの報道もある。実現すれば日本サッカー界に全体にも波及効果がありそうだが、すでに72歳である。「もう少し歳をとってからでもできる」と話していた代表監督就任については、さすがに年齢を重ね過ぎたかもしれない。

 それでも──。ベンゲルが率いる日本代表を想像すると、思考はどこまでも広がっていく。

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