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ネイマールの「唐突すぎる代表引退宣言」に思う“フットボールの多様性”とは 《毒を併せ持つ賛否両論のスター》だからこそ… 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2021/10/20 11:02

ネイマールの「唐突すぎる代表引退宣言」に思う“フットボールの多様性”とは 《毒を併せ持つ賛否両論のスター》だからこそ…<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

ロシアW杯でのネイマール。カタール大会が本当に“最後のW杯”となるのだろうか

「最近のネイマールへの批判は、度を越している。彼ほどの優れた選手でも、出来の悪い試合はある。それを冷静に批評するのはいいが、頭を踏みつけるような人格攻撃をするのは間違っている」

 熱烈なファンの1人は、自身のSNSで「もし君が亡くなって天国のチームでプレーするのなら、僕も死んで天国へ行って君のプレーを見たい」とネイマール愛を語る。

「誰がお前を2026年W杯に招集すると言った?」

 その一方で、批判的な声も少なくない。

 元ブラジル代表MFで現在はテレビのスポーツ番組の司会者を務めるネットは、「誰がお前を2026年W杯に招集すると言った? 思い上がるのもいいかげんにしろ」と辛辣だ。

 ベテラン評論家のジュッカ・キフーリも、「最近のネイマールは、心身の不調からプレー内容が悪化している。アスリートでいるよりポップスターになりたいのだろう」と突き放す。

 9月2日のW杯南米予選チリ戦でミスを連発した際には、一部のメディアと国民から「体が太め」の声が出た。よほど気に障ったらしく、自身のインスタグラムに腹部を露出した写真を4枚も載せて反論した。

 また、9月9日、W杯南米予選ペルー戦でゴールを決めてペレが持つ代表での通算得点77へ近づくと、「ペレの記録を塗り替えることができたら大変な名誉だ」とコメント。当時、ペレが大腸の腫瘍を除去する手術をして入院中だったことから、有名女優から「この時期にこんなことを言うなんて、キングへの配慮に欠ける」と詰められた。また、ある女性歌手からは「税金を払いなさいよ」と皮肉られている。

 まだある。今月10日のW杯南米予選コロンビア戦で、試合後、1人だけコロンビア選手と握手せずロッカールームへ引き揚げた際、大御所アナウンサーから「愚か者め」と罵られたとされた(手違いでマイクの音声が切られておらず、アナウンサーのつぶやきが入ったらしい)。これに対してネイマールの妹が「愚か者はどっちなのよ」と言い返す“場外乱闘”もあった。

W杯予選でジーコ、ロマーリオより点を取っているが

 ネイマールがプレーするフランスでも、冒頭で紹介した発言は大きな波紋を呼んだ。

【次ページ】 ピッチ内でのマナーの悪さ、ピッチ外でのスキャンダル

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