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森保監督の《ミスした柴崎岳投入》に思い出す、誹謗中傷されたブラジルの名手… ドゥンガがW杯優勝で「馬鹿野郎!」と叫んだワケ 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2021/10/16 17:01

森保監督の《ミスした柴崎岳投入》に思い出す、誹謗中傷されたブラジルの名手… ドゥンガがW杯優勝で「馬鹿野郎!」と叫んだワケ<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

柴崎岳を送り出した森保一監督。ブラジルでもセレソンで致命的なミスをした選手が誹謗中傷を受けるケースがあった

闘将ドゥンガでも誹謗中傷は「つらかった」

 1990年W杯後、ドゥンガも代表への招集が途絶えたが、イタリアやドイツの中堅クラブで黙々とプレー。約2年後、代表へ復帰する。以後、再び中心選手となり、主将も務めた。1994年W杯で優勝すると、鬼の形相でトロフィーを掲げながら「馬鹿野郎!」と絶叫。それまでの鬱憤を晴らした。

 数年前、ドゥンガにインタビューした際、1990年W杯アルゼンチン戦後に受けた誹謗中傷について尋ねた。

 彼は、「本当につらかった。自分だけでなく、家族まで苦しめられるんだから、まるで地獄のようというか……。ただ、自分はプロだから、負けたら批判を受けるのは仕方がない。それで意気消沈せず、『必ず見返してやる』という強い気持ちで努力を続けること。それが大切なんだ」と気迫に満ちた表情で語っていた。

森保監督は温情で起用したわけでないはず

 オーストラリア戦で森保監督が柴崎を投入したような選手起用は、二度もクラブ世界王者に輝いたテレ・サンタナですらやっていない。

 しかし、森保監督は単なる“温情”で柴崎をピッチへ送り出したわけではないはずだ。監督が明確な意図を持った采配を振るい、選手たちがそれに応えて勝利をつかんだことは、今後の日本代表にとって極めて大きな意味を持つのではないか。

 生身の人間だから、誰でも時には思わぬ失敗をする。しかし、選手、監督、そして我々も、ドゥンガが発揮したような反骨精神で心を奮い立たせ、逆境を跳ね返さなければならない。

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