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藤井聡太三冠「46敗」の研究(驚きの勝率0.842)…デビュー丸5年、藤井三冠19歳が負け越している棋士は何人いる? 

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相崎修司

相崎修司Shuji Sagasaki

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/10/16 11:02

藤井聡太三冠「46敗」の研究(驚きの勝率0.842)…デビュー丸5年、藤井三冠19歳が負け越している棋士は何人いる?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

10月でデビュー丸5年の藤井聡太三冠。15日時点で246勝46敗だが…負け越している棋士は何人いるのか? 写真は7月の棋聖戦、初防衛後

 そして19年度の対局数が増えたのは王将リーグと王位リーグに入ったのが大きい。王将リーグでは2敗して、挑戦には惜しくも届かなかったが、王位リーグでは無敗街道を行き、翌年度の王位奪取につなげている。

 藤井の本格的な飛躍はタイトル奪取を果たした20年度だろう。この年のタイトル戦番勝負は棋聖戦と王位戦を戦ったが、合わせて7勝1敗と、わずか1敗しかしなかったのは恐るべしである。また、この年度からいわゆる取りこぼしがなくなった。藤井が六段以下の棋士に負けたのは20年6月の対大橋貴洸六段戦が最後である。

年間12敗の可能性…何かを数え間違えている?

 20年度の対局数が前年と比較して減ったのは、前期王将リーグで残留したことにより予選を戦う機会がなくなった(19年度は1次予選からのスタートだった)こと、そして竜王戦で3組に昇級していたこと(ランキング戦優勝に6組は6~7勝、4、5組は5勝を要するが、3組以上は4勝で済む)が考えられる。

 竜王戦に関して言えば、藤井はここまでのランキング戦で無敗なことも大きい。昨年までは決勝トーナメントで負けていたのは仕方がないが、並みの棋士の場合、ランキング戦で敗退すると昇級者決定戦に回り、そこでも負ける、つまり1期に2敗する可能性があるのだ。順位戦で2敗しかしていないことは前述したが、同じく5期目の参加となる竜王戦でもここまで4敗しかしていない。

 藤井が現在参加できる棋戦は8大タイトル戦に加えて朝日杯、銀河戦、NHK杯、日本シリーズの12棋戦。つまり、タイトル獲得、棋戦優勝をしない限りはどう数えても年間に12敗はするはずなのだ(年度またぎなどの誤差はあるが)。そして今年度は4棋戦でタイトル戦番勝負を戦っているので、更に負けが増える機会はあった。年間10局(今期はB級1組なので12局)を戦う順位戦は言わずもがなだ。正直、この負け数の少なさは何かを数え間違えているとしか思えない。それほどの勝ちっぷりである。

中原十六世名人、羽生九段と比べてみると…

 比較対象として、中原誠十六世名人と羽生善治九段、レジェンド両名のデビューから5年間の成績を見てみよう。

【次ページ】 中原十六世名人、羽生九段と比べてみると…

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