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「クボは最も脅威を感じる1人。だがレアルでは数字を残さないと失格の烙印を…」 番記者から久保建英へ《忖度なしの期待》とは

posted2021/10/17 17:02

 
「クボは最も脅威を感じる1人。だがレアルでは数字を残さないと失格の烙印を…」 番記者から久保建英へ《忖度なしの期待》とは<Number Web> photograph by Getty Images

2019年、レアル・マドリー加入直後の久保建英。果たして「本物の銀河系の一員」となれる日が来るか

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ハビエル・シジェス/ディアリオ・アス

ハビエル・シジェス/ディアリオ・アスJavier Silles/Diario AS

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ラ・リーガ3シーズン目を迎えた久保建英。ヒザの負傷により離脱を強いられたが、保有元のレアル・マドリー、現所属のマジョルカではどんな評価をされているのか。各クラブの現地番記者に記してもらった(翻訳:工藤拓、全3回/マドリー番前編マジョルカ番編も)

 突然のビジャレアル退団は、新天地を選ぶ上でも決断を急がせた。ホセ・ボルダラス率いるヘタフェは、久保のような選手が必要とするプレースペースをほとんど与えてくれない。ダイレクトプレーを多用し、選手全員に身体的負担のかかるプレッシングを強いるチームだった。

 久保は加入当初こそ先発に抜擢されたが、すぐに出番を失っていった。終了間際に出場し、ボールに触れられぬまま試合終了を迎えたこともあった。

 それでも輝きを放つ機会は皆無ではなく、守備面の働きにおいても成長の跡は見られた。ボルダラスからはどのようにパスコースを切り、どのようにサイドバックと連携してスペースを埋めるのかを教え込まれた。最終的にヘタフェでは18試合で805分のプレー時間を重ね、チームの残留を決定付けるゴールを置き土産にシーズンを終えている。

シュート意識が強くなり、精度も高まった

 そして2021年夏、久保は再び選択を迫られた。これ以上の失敗は許されなかった。時に人は過去に戻ることで、失った何かを取り戻せることもある。久保はそう理解し、古巣のマジョルカで再スタートすることを決断した。

 現在マジョルカを率いるルイス・ガルシアはビセンテ・モレノによく似た特徴を持つ監督ながら、より攻撃的なフットボールを志向している。膝を負傷するまでの久保は、彼の指揮下で期待を裏切らぬパフォーマンスを見せていた。チームメートは久保を探し、久保は周囲に頼られる責任感を心地よく感じながらプレーしていた。

 フィニッシュエリアにおけるプレーにも成長が見られるようになった。以前よりシュートを狙う意識が強くなり、精度も高くなった。ベストのタイミングでラストパスを送るチャンスメイクのプレーも増え、サイドバックやインサイドハーフ、ボランチ、ストライカーとの連係もスムーズになっている。

 だがここから先、久保はフットボーラーとしてさらに成熟していかなければならない。

 もはや散発的に輝きを放ち、ポテンシャルの片鱗を見せるだけでは足りない。今の彼は、常に輝き続けることが義務付けられた立場にいる。今後彼が期待通りのスター選手となるためには、与えられた新たな立場をさらに掘り下げていく必要がある。

「偽ウイング」としてのプレーを確立すべき

 そのために取り組むべき課題はたくさんある。プレーポジションについては、右サイドでファルソ・エクストレーモ(偽ウイング)としてのプレーを確立していくべきだろう。今季のアラベス戦やアスレティック・クルブ戦ではトップ下でプレーする機会を得られたものの、いわゆる「10番」のポジションを維持するチームは年々減っているからだ。

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