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スカウトに一足早く聞いた「2022年ドラフト注目株」 中村剛也+吉田正尚のような170cm強打者、北海道の変則速球派の名は?
text by
間淳Jun Aida
photograph byKyodo News
posted2021/10/12 06:00
智弁和歌山相手にホームランを放った高松商・浅野。3年生となる2022年が楽しみな逸材だ
代表格は東海大菅生・鈴木泰成投手。身長185センチと長身で、長い手足を使って角度がありスピンの利いたストレートを投じる。今春のセンバツでは、1回戦の聖カタリナ学園(愛媛)戦に先発して6回途中3安打、無失点と好投するなど、2試合に登板した。
「まだ体は細いですが、下半身や体幹を使って上半身にうまく力を伝えています。腕が長くて、しなりもあるので、まだまだスピードは出ると思います。それから、リリースの感覚に長けているのか、指が長いのか、ボールの回転がいいので、ストレートに伸びがあります。リリースポイントが安定してくると、ストライクゾーンで、もっと空振りやファウルを取れます。冬の期間で急成長する投手もいるので、今後が楽しみです」
来年は「大学生がおもしろい」という中で
今秋のドラフトは、明桜・風間球打投手や高知・森木大智投手、市和歌山・小園健太投手に中京大中京・畔柳亨丞投手ら、高校生投手が“豊作の年”だった。一方、来年は「大学生がおもしろい」と話す。
富士大・金村尚真投手や上武大・加藤泰靖投手、立教大・山田健太内野手らが来秋のドラフト候補として注目される中、スカウトが口にしたのは意外な名前だった。東京農大北海道オホーツク・伊藤茉央投手。体を少しひねり、右サイドスローから投じるストレートは140キロ台後半を計測する。
福島県の喜多方高校出身の伊藤は甲子園とは無縁だった。
高校2年の秋に肘を痛めてサイドスローに転向。大学に進むと、1年から全日本大学野球選手権のマウンドに立つなど、主力となった。高校時代130キロ台だったストレートの球速は上がり、得意のシンカーやスライダーとのコンビネーションで打者を封じる。
スカウトが引き合いに出したのが、メジャーでも活躍した韓国の金炳賢投手。ダイヤモンドバックスやロッキーズでプレーし、9年間で通算54勝、86セーブを記録した。全盛期のストレートは150キロを超えていた。