「浅野選手の魅力は打球を遠くへ飛ばす天性の感覚と技術。大きな体に目がいきがちですが、西武・中村選手のようにボールをバットに乗せるのがうまい。力に頼っていないので、木製バットを苦にしないと思います。

　それから、浅野選手は長打力だけではなく、柔らかさや器用さもあるので、変化球への対応力があり、2ストライクに追い込まれることを恐れていません。追い込まれるまで余裕を持って長打にできるボールを待っていますし、相手バッテリーに警戒される中で、数少ない甘いボールを確実に捉えることもできています。右打者と左打者の違いはありますが、打席ではオリックス・吉田選手に似た雰囲気を感じます」

智弁和歌山・渡部は「1年後の成長に期待を込めて」

　夏の甲子園で活躍したドラフト候補として、「1年後の成長に期待を込めて」と名前を挙げたのが、優勝した智弁和歌山・渡部海捕手である。

夏の甲子園、扇の要として存在感を放った渡部　©Hideki Sugiyama

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　肩の強さが魅力で、高松商・浅野と同様、15歳以下日本代表に選ばれた経験もある。「打てる捕手」としての可能性を秘めている。智弁学園との甲子園決勝では、9回にダメ押しソロを放つなど3安打。中学時代から打力も評価されていた。

「現時点でドラフト上位候補とは言えないかもしれませんが、捕手は特殊なポジションなので、どの球団も強肩、強打の選手には注目する。甲子園で優勝するチームで先輩の3年生投手にも遠慮しない性格は捕手向きに感じました。

　プロになるための課題は、キャッチングとインサイドワーク。ワンバウンドを捕球する精度を上げることと、際どいコースの捕球でミットを止めることが必要です。それから、甲子園では守備の時にベンチのサインを確認する場面がありましたが、判断力や洞察力もプロでは大切です。中谷監督は捕手としてプロ野球でプレーしていたので、渡部選手にとっては最高の環境でしょう。この1年で、どれだけの技術や知識を身に付けられるかが勝負になります」

“ベンチ外の2年生投手”に急成長の予感

　甲子園に出場した高校の中で、「1年後の伸びしろ」に最も期待している選手に挙げたのは、体調が万全ではなくベンチに入れなかった2年生だった。

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