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〈激写〉岡崎慎司35歳、スペイン2部から日本代表の救世主になれるか 「すごい良いヤツだよ」新天地でも愛される“侍魂”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/10/10 17:01
スペイン3シーズン目をカルタヘナで戦う岡崎慎司。チームの周辺でもすでに愛されているようだ
サイドから中に移ってボールを受けるシーンでは、相手のプレスを防ぎつつ、味方とのパス交換でシュートまで持ち込んでいくシーンに可能性を感じました。
トップ下のブラシスとのパス交換から、リターンを受け取り相手陣内に切り込みます。
スタジアム外にはマンションがあり、窓からは下着姿で試合を観戦する男性の姿も。鋭い動き出しでDFの間にボールを呼び込みますが、思うようにパスは出てきません。
ホームチームにやや押され気味の中、なんとか持ちこたえるカルタヘナでしたが、32分にPKからゴールを許すと、36分、43分と立て続けにゴールを奪われてしまいました。
ラス・パルマス10番のヘセ・ロドリゲスはレアル・マドリーに所属するなど期待されたストライカー兼ドリブラー。
ただしマドリーで成功を収めることはできず、レンタルで点々としましたが、生まれ故郷グラン・カナリアに戻り、今季は現時点でアシストランクトップの4アシスト、ゴールも2つ決めています(この試合で1得点2アシスト)。この日も1トップで出場し、前線の起点にもなっていました。
中盤でボールを受け、ゲームメイクにも参加する岡崎。ヘディングやスルーパスなどでも、チャンスを作ります。抜け出したルベン・カストロがシュートまで持ち込みましたが、ゴールならず。
チームのカメラマンから見た岡崎の印象は……
何度となくチャンス創出に絡んだ岡崎でしたが、0-3の状況の中で、ハーフタイムで交代となりました。
この間、カルタヘナのオフィシャルカメラマンと少し言葉を交わしました。すると岡崎について《よく話をするけど、すごい良いヤツなんだよ。早くゴールシーンを撮りたい》と話してくれました。コーナーキックの際には、キッカーに「頑張れ」と声をかけるなど、彼自身も良いヤツでした。
ビハインドの中で反撃を試みるカルタヘナイレブン。しかし中盤の要、ボアテングがレッドカードで退場になり、ほぼゲームが決まってしまいました。
そんな中で岡崎と交代で出場したダウダは、積極的にサイドで勝負を仕掛け、ミドルシュートで1点を返しました。
1-4で幕切れとなった試合、納得のいかない表情で引き上げていく岡崎。この日こそ不完全燃焼になったものの、スペインの地で奮闘し、その姿が現地の人々の心をとらえているのは確かです。
また、得点力不足が深刻な日本代表においても、カルタヘナで得点を量産することで日本代表への扉をこじ開け、日本を助ける存在になって欲しいと思います。
今後も岡崎選手の活躍に注視していきたいと思います。