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冨安健洋「夢はプレミア、CL優勝」 観戦プログラムで9P大特集→宿敵とソン・フンミン封殺にアーセナルサポが大絶賛
posted2021/09/28 17:06
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Clive Rose/Getty Images
冨安健洋を称える応援歌が鳴り響いたのは、試合終盤の後半41分のことだった。
この直前、冨安が相手のパスをカットし、さらに粘り強い守備でボールを前方にクリアした。3-1で2点のリードを奪っていたアーセナルのサポーターは、日本代表DFのプレーに大きな拍手。「スーパー、トミ! スーパー!(冨安は最高)」のチャントで称えたのだ。
応援歌のメロディーは、クラブレジェンドの元フランス代表MFロベール・ピレスのチャントとしても使われ、アーセナル界隈ではお馴染みの一曲。チェルシーでもMFフランク・ランパードのチャントとして愛されるなど、イングランドサッカー界では人気の高いチューンだ。
敵地で行われた前節バーンリー戦では、64年に全英1位のヒットを記録したデイブ・クラーク・ファイブの『グラッド・オール・オーバー』に合わせ、「We've got Tomiyasu(俺らにはトミヤスがついている)」の大声援がスタジアムにこだました。
前回とは別の応援歌が歌われたわけだが──冨安のチャントがサポーターの間でひとつに決まっていないのか、新たな応援歌になったのかは不明だ──いずれにせよ本拠地エミレーツ・スタジアムの住民たちが日本代表DFのプレーに心酔していることだけは間違いない。それほど、ノースロンドンダービーでのパフォーマンスは際立っていた。
「ファンダイク並みに高い空中戦勝率です」
9月26日に行われたプレミアリーグ第6節のトッテナム戦で、冨安は4-2-3-1の右サイドバックとして先発した。
8月31日の電撃移籍から、この試合で3試合連続のスタメン入り。試合前には英衛星放送スカイスポーツで冨安のプレースタッツが紹介され、「空中戦で11回中10回も勝利しています。これは、リバプールのビルヒル・ファンダイク並みに高い数値です」と、注目選手のひとりとしてクローズアップされていた。
ただし、デビュー戦のノリッチ戦(20位)、2戦目のバーンリー戦(19位)と、これまでは下位クラブが相手だった。今回迎え撃つのは、強豪トッテナムである。しかも同じ北ロンドンに本拠地を置き、サポーターのライバル意識も極めて高いダービーマッチとなる。
緊張感あふれるビッグゲームで、冨安がどこまで堅実なプレーを見せられるか。ここが、この試合の注目ポイントだった。