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“男女混合ペア”はコンビ歴が長いほうが強い? “わたがし”ペアは10年目で銅、フィギュア三浦・木原は3年目でもスゴい
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2021/09/29 11:03
(左)東京五輪で銅メダルを獲得した渡辺・東野ペア(右)フィギュアスケートで成長著しい三浦・木原ペア
そう語る水谷に対し、伊藤はこう話している。
「幼い頃からやっぱり知っているので、12歳差でも私たちは結構結束しているというか、お互い言い合えることはあります。私たちは12歳差でもいいペアだと思います」
「相性が合わないと、日々の練習だってきついです」
フィギュアスケートのペアやアイスダンスで長いキャリアを誇る2人と言えば、アイスダンスのテッサ・バーチュー、スコット・モイアがあげられる。2010年バンクーバー、2018年平昌と2度オリンピックで金メダルを獲得した2人は、結成して実に22年のキャリアを誇った。
アイスダンスのスケーターだったキャシー・リードも、「時間をかけ、相手をもっと理解していくことで、競技にプラスになると思います」と語る。
ただ、リードの言葉は時間だけにとどまらない。
「コミュニケーション、性格、相性みたいなことが大切になってきます」
よくよく考えれば、長年、プレーをともにすることができるのは、お互いを尊重し、信頼し合える関係であるからにほかならない。そうでなければ、長い時間を過ごすことは苦痛でしかない。
国際大会で華々しい活躍をしているわけではない位置にいる選手の言葉が印象的だ。
「相性が合わないと、日々の練習だってきついです」
どうしても試合に目を向けがちだが、そこに至るまでにどの競技であっても、練習を重ねている。息が合わなければ、毎日過ごすことすら辛くなる。その中ではお互いに、自身の考えを述べたり、相手のプレーについての意見を伝えることも難しくなる。技術やプレーの質の向上も困難になってくる。