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“男女混合ペア”はコンビ歴が長いほうが強い? “わたがし”ペアは10年目で銅、フィギュア三浦・木原は3年目でもスゴい
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2021/09/29 11:03
(左)東京五輪で銅メダルを獲得した渡辺・東野ペア(右)フィギュアスケートで成長著しい三浦・木原ペア
その「息」とは、リードの言う、コミュニケーション等があてはまるだろう。あるいは伊藤が言う「お互い言い合える」関係であることも含まれる。渡辺と東野が10年に及ぶキャリアを築けたのも、「組んだ瞬間から、練習していなくても息が合いましたし、コンビネーションもよくて」(東野)と言うように、息が合ったからにほかならない。相性と言い換えてもいいかもしれない。
フィギュア木原は三浦と出会い、現役続行を決意
そして相性のよさが、速やかに伸びていく土台となる。
三浦と木原は、2019年8月に結成を発表し、3シーズン目を迎える。昨シーズンの世界選手権では10位の好成績を残し、今回のオータム・クラシックの得点は、昨シーズンの世界選手権では5位相当となる。急速な成長を支えるのも、相性という土台があるからだ。
木原は前のペアを解消したあと、引退を考えたこともあるという。その中で三浦のオファーによりトライアウトを実施。相性のよさを感じて結成することを決意している。
世界選手権に続き、今春の世界国別対抗戦で好演技を披露したあと、三浦はこう語っている。
「ほんとうに信頼できるからこそ、うまくかみ合うんだと思います」
さまざまな競技を見れば、順序としては、相性のよさが最初に来るのだろう。その上で、年数を重ねて成長していくことが重要だから、キャリアの長さも鍵を握る。ただ、相性がぴたりとはまるなら、短時間でも伸びていける。
そういう意味では、「出発点」がなによりも大切だと言えるのかもしれない。
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