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【石川遼30歳】「(松山)英樹や丸山さんのように勝てる選手になって…」丸山茂樹に明かした日本復帰の理由、稲垣吾郎との再会
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph bySankei Shimbun
posted2021/09/17 11:01
30歳を迎えた石川遼。日本ゴルフ界を牽引する存在として、これからも期待を背負っていく
<名言3>
あそこはしがみつく舞台じゃなくて、勝ちたいと思っている舞台なんで。
(石川遼/Number944号 2018年1月18日発売)
米ツアーでの5年間を経て、18年から再び拠点を日本に戻した石川。先駆者である丸山茂樹との対談でその真意を語っていた。
「毎週毎週、どうやって予選通過をしようかと考えているうちに、週替わりでやることが変わってしまって……。そうなるとその週をなんとか乗り越えようということだけしかできず、長期的にここを伸ばしていこうという取り組みができなかった。気付いたら最初に目指したのとは全然違う方向に行っているみたいな」
丸山も「自分を見つめ直す時間を作った方がいい」とアドバイスを送っていたことを明かしている。
もちろん、抵抗はあった。周りからいろいろ言われることも覚悟した。それでも将来の自分を見据えた時に、日本へ戻ることを決めた。
「しがみつくようなゴルフをやっていても、この先10年とか20年を見た時に明るいものが見えてこない。もう一度、アメリカに戻る時に(松山)英樹や丸山さんのように勝てる選手になって戻ろうと」
日本男子ツアーに復帰した石川は選手会長に選出。翌19年には3年ぶりとなるツアー優勝を日本プロで飾ると、最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップなどツアー3勝を挙げ、生涯獲得賞金10億円をツアー史上最年少「28歳82日」で突破した。
対談の最後に、丸山はこんなことを投げかけていた。
「遼はこれまですぐに海外で勝つことが求められてきたかもしれないけど、日本ツアーを盛り上げることも遼の責任だと思う。タイガー(・ウッズ)もそうだし、ジャンボ(尾崎)さんもそうだった。責任感があるからこそ上にいける」
現在地を理解し、役割を自覚する大人のゴルファーに成長した石川の姿があった。