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大谷翔平は「モノマネ名人」!? ホームラン量産のカギ、“最速インストール”した《大打者プホルス先生の「ヒールダウン打法」》とは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2021/09/12 17:02
日本人選手の多くが悩んだメジャーリーグへの適応。この短期間での大谷の尋常ならざる急成長ぶりには理由があった
大谷の成長はなぜこれほど速いのか?
トラウトはボールを呼び込めるだけ呼び込んで後ろ足を軸にして打つスラッガー。
一方のプホルスはそこまでボールを呼び込むのではなく、ある程度前でさばいていくタイプの打者で、実は大谷もボールを呼び込めるだけ呼び込む意識よりも、右足を踏み込んでそのまま右軸でさばいていくタイプの打者なのだ。
大谷のスタイルに近いのは明らかにプホルスだった。
要は自分の打撃に合う選手を見つけて、それを参考にフォーム修正をした。
見様見真似だが、それでも独特のモノマネセンスとそれをすぐさまやれる身体表現力があるからだったのだ。ゼロから作るのではなく、ある程度、成功している例を自分流にアレンジして形にしていく。
だから大谷の進歩は他と比べるものなく速いのである。
ベーブ・ルースではない、完全無欠な大谷翔平に!
「まだ始まったばかり。疲労などはこれからだし、今やっていることが通用しなくなる時がくるかもしれない。そこでどうやって修正できるかが問題だと思っている」
大谷は言う。
今後も、おそらく様々な“先生”を見て、それを取り込んで大谷はどんどん進化していくのだろう。そうして最後にはオリジナルが出来上がる。
それこそベーブ・ルースでもない、完全無欠な大谷翔平の二刀流スタイルなのである。