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大谷翔平は「モノマネ名人」!? ホームラン量産のカギ、“最速インストール”した《大打者プホルス先生の「ヒールダウン打法」》とは
posted2021/09/12 17:02
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
大谷翔平は日本時間11日のアストロズ戦で44号本塁打を放ち、ア・リーグ本塁打王争いトップの座をキープしています。全米を席巻する二刀流がメジャー1年目から「すぐ対応できた理由」を現地で追った記事を再公開します(初公開:2018年4月13日)
翔タイムが続いている。
開幕から約2週間、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手のメジャーデビューを追ってオークランドからアナハイムと米国を旅してきた。
半信半疑だった現地のメディア、関係者も、打者としていきなり3連発した直後に、今度は投手として7回途中まで“完全未遂”のピッチングを見せられては、もはや二刀流を認めざるをえないのは言うまでもない。手のひらを返したように、大谷賛歌が現地を賑わせていることは読者もご承知の通りである。
それではなぜ、ここまで大谷が絶好なスタートダッシュを切れたのか? 2週間の取材旅行の中で感じた1つの要因をここで書いてみようと思う。
オープン戦は打率.125の散々な成績だったが
当初から投手ではある程度、早い段階から結果を残せるが、打者では少し苦労するのではと思っていた。
理由は簡単で投手は自分の絶対能力で勝負できる。簡単に言えばいいボールを投げられれば、そうは打たれないということだ。しかし打者はあくまで相手の投手との相対的な勝負になる。いくら力があっても、相手にアジャストしていくのにはある程度の時間を要するのではないかということだ。
それが如実に出たのがオープン戦の期間だった。
オープン戦では投手でもボールやマウンドの違いから、あまりいい結果は出なかった。
ただ、さらに酷かったのは打者である。メジャーの投手独特のテークバックの小さなフォームにタイミングが合わずに、出場11試合で32打数4安打の打率1割2分5厘という散々な成績だった。