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イチローと智弁和歌山ナインの距離が縮まった“10回ジャンプ” 「ものさし」を知った濃密な3日間〈夏の甲子園〉 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byJIJI PRESS

posted2021/08/24 06:00

イチローと智弁和歌山ナインの距離が縮まった“10回ジャンプ” 「ものさし」を知った濃密な3日間〈夏の甲子園〉<Number Web> photograph by JIJI PRESS

3日間、智弁和歌山高校の練習に参加したイチローさん。選手たちはその一挙手一投足に刺激を受けた

「ずっと僕は見てるから」

 3日目は、時間を惜しむように選手がイチローさんを質問攻めにした。

 濃密でスペシャルな3日間。

 しかし、「『あの3日間、よかったなー、最高やったなー』で終わらせちゃいけないんじゃないの?」と、通常練習が再開した時、中谷監督は選手たちに問いかけた。

「いつも、あの3日間のようなスタンスで、あの時と同じ気持ちでやっていってほしい。いつもイチローさんがくると思って、グラウンドの周りを掃除したり、気になることを放っておかずに、ちゃんとやらなきゃいけないんじゃないの? それが、イチローさんが毎日やってきたルーティンと同じことだと意識しながら、毎日グラウンドに臨んで、野球と向き合っていく。そういうことを大事にしていってほしい」

 選手たちはうなずいた。

 イチローさんは別れ際に、「ずっと僕は見てるから」と言ってグラウンドを去った。

 その言葉は、この先、選手たちが折れそうになった時、踏みとどまるための支えになるに違いない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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