近年はアイスリボンで“女子プロレス”にも進出し、チャンピオンベルトも巻いたラム会長。しかし666でキッズレスラーとしてデビューして以降、正攻法のプロレスからはみ出した闘いを主にやってきた。アイスリボンでも昨年まで、観客もずぶ濡れになる『スプラッシュリボン』が恒例で、ラム会長も参戦していた。

「ああいうのはメチャクチャやりやすいんですよ。それが自分の“育ち”というか、ホーム的な感じがして。もちろんベルト争いもするし、両方あるのがいいなって」

昨年開催された『スプラッシュリボン』の模様

「全員が楽しめるものだけじゃなくていい」

　ある年の『スプラッシュリボン』で、藤本つかさは「よし、今年も思いっきりふざけたぞ」と言っていた。試合でふざけるとはどういうことかとは、もはや誰も言わない。ふざけるにしても思いっきりなら、それはエンターテインメントになる。そこまで許容するのがプロレスというジャンルなのだ。

　アイスリボンの「プロレスでハッピー」を意識してか、666ではスローガンとして「プロレスで不謹慎」というフレーズも使われる。そのキモを、ラム会長はこう説明している。

「みんなが理解できるもの、全員が楽しめるものだけじゃなくていいというか。やってどうなるか分からないようなことがあったら、それはやろうというのが666ですよね。守るよりも攻めたい」

　去年も今年も、さまざまなジャンルで季節の風物詩が失われた。それは仕方がないとしか言えないことでもある。けれども666の夏は相変わらず新木場にあって、そのメチャクチャなバトルが妙にありがたかったりもしたのである。

昨年の『スプラッシュリボン』でのラム会長

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