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「極上の悔しさを…」旅立つヤングライオン2人に立ち塞がったオカダ・カズチカ、内藤哲也という“圧倒的な壁”《新日本プロレス壮行試合》
posted2021/08/20 11:00
text by
原壮史Masashi Hara
photograph by
Masashi Hara
「Nice to meet you, USA!」
8.14(日本時間15日)アメリカ・ロサンゼルス、新日本プロレスのアメリカでの有観客試合再開となったRESURGENCEで、上村優也がついに海外武者修行の第一歩を踏み出した。個性派ぞろいの10人タッグマッチで、リオ・ラッシュのアシストから閂スープレックスホールドを繰り出して勝利を手にした上村は、試合後にリング上でマイクを持つと柴田勝頼にLA道場入りを志願。柴田は握手とハグでそれに応じ、上村はLA道場の一員となった。
その少し前の10日には、イギリスのRevolution Pro Wrestlingが、9.4シェフィールド大会への辻陽太の参戦を発表した。彼らは、更なる強さと自分らしさを海外生活の中で追い求め、身につけていくことになる。
3年前の“同じ日”にデビューした2人のヤングライオン
2人のデビューは同じ日だった。2018年の4.10、新宿FACEで行われたLION'S GATE PROJECT 11において、上村は第1試合で成田蓮と、辻は第2試合で岡倫之とそれぞれシングルマッチを戦い、プロレスラーとしてのキャリアがスタートした。
それから3年4カ月。デビューから1~2年程度で海外修行へ飛び出していくケースが多い中、2人はヤングライオン(新日本プロレス所属の若手選手の通称)として通常よりも長い時間を過ごした。コロナ禍の影響で海外へ行くタイミングがなかったことも大きく影響しただろう。地道な努力を重ねてきた2人に、ようやくその時がやって来たのだ。
8.1後楽園ホール大会で組まれた壮行試合は、奇しくもデビューした時と同じく上村が第1試合、辻が第2試合だった。
第1試合 オカダを仁王立ちで迎えた上村
上村がこれまでの全てをぶつける相手はオカダ・カズチカが務めた。デビュー戦の前に「第1試合だろうが上の試合だろうが関係ないと思って、自分が一番だという気持ちで、そこは譲らないように頑張っていきたい」と語っていた愛媛県今治市出身の若者は、その言葉を貫き通してきた。