濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
舞台はプール、水着で水鉄砲乱射!? ラム会長と個性派団体『666』が追い続ける「プロレスで不謹慎」の精神
posted2021/08/23 11:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
一年中どこでも開催されており、基本的にはインドア会場で行なわれるプロレスだが、だからこそなのか季節感や“風物詩”を大事にする印象がある。
多くのファンにとって、1年の始まりは1月4日、すなわち“イッテンヨン”の新日本プロレス・東京ドーム大会。G1クライマックスといえば夏の恒例行事だった(昨年、今年は秋開催に)。12月の頭、全日本プロレスの世界最強タッグ決定リーグ戦が終わると、そろそろ年末が近づいてきたなという感じがする。
直接的に季節を感じさせてくれるのが、夏の野外大会だ。とりわけインパクトが強かったのは昨年8月、富士通スタジアム川崎(旧川崎球場)での佐藤光留自主興行だ。夜だけではなく昼興行もあり、つまり真夏の炎天下。グラウンドの攻防はマットが猛烈に熱かったらしい。ダブルヘッダーの選手たちはあっという間に日焼けして夜のリングに上がっていた。観客はといえば、芝生に座ってそんな選手たちを見ていた。それだけでも暑さとの“闘い”だ。
恒例の『666』納涼夏祭り興行には、ラム会長も水着で参戦
プロレスの興行はそもそもが非日常なのだが、夏となるとまた格別に非日常を求めたくなるのかもしれない。個性派団体『暗黒プロレス組織666(トリプルシックス)』では、納涼夏祭り興行が恒例だ。浴衣姿のファンもいて、8月1日に開催された今年の大会では団体公式グッズとして甚平が販売された。
メインイベントは、会場の新木場1stRING入口の駐車場が舞台。リングでの闘いから場外乱闘、そして駐車場に置かれたビニールプールで攻撃を繰り出し、水鉄砲で撃ち合う。さらにバケツで水をまき散らす。もちろんセコンド、試合を終えた選手たちも巻き込まれる。
大会の主役であるラム会長は毎年、この試合になると試合用コスチュームではなく水着姿。「みんな喜んでくれるし、写真撮りに売店来てくれるのでね(笑)」とのこと。