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藤井聡太二冠は運転士になりたかったほど鉄道愛が深い… 高1の時に「青春18きっぷ」日帰り旅行、京急の「ドレミファインバータ」も好き
posted2021/08/15 06:01
text by
田丸昇Noboru Tamaru
photograph by
日本将棋連盟/JIJI PRESS
藤井聡太二冠(棋聖・王位)は今年の夏、棋聖戦、王位戦、叡王戦のタイトル戦の対局で、北海道、関東、甲府、名古屋、神戸、四国、九州など(予定を含む)、全国を転戦している。そのついでに各地の名所を観光することは、対局日程が詰まっていて難しい。しかし、在来線に乗って北の大地の景色を車窓から眺めて楽しむ機会があった。実は、藤井二冠は大の「鉄道好き」だった……。
藤井王位に豊島将之竜王(叡王を合わせて二冠)が挑戦している王位戦7番勝負は、第1局は豊島が勝った。第2局は7月中旬に北海道・旭川で行われた。
藤井は地元の名古屋から新千歳空港に、豊島は羽田空港から旭川に向かった。名古屋~旭川の直行便もあったが、藤井が千歳に行ったのには、ある目的があった。
藤井は、新千歳空港から快速エアポートで札幌駅に行った。そして、札幌駅から函館本線に乗って旭川駅に向かった。
その途次の車窓からは、石狩湾の海は見られないが、北の大地の田園地帯が広がっていた。
「宗谷本線に乗りたい」と言っていたことも
北海道を初めて訪れた藤井は、約1時間半にわたって、車窓からのどかな景色を眺めて、リラックスできたという。「宗谷本線(旭川~稚内)に乗りたい」と以前に言ったことがあり、それは次回のお楽しみとなる。
藤井二冠は豊島竜王に対して、王位戦第2局の前まで、対戦成績は1勝7敗と大きく負け越していた。いわば「天敵」だった。
しかし、藤井が王位戦第2局に勝ったことで、潮目が変わってきた。王位戦は第3局にも勝って勝ち越している。豊島叡王に挑戦している叡王戦5番勝負は、2勝1敗と勝ち越し、タイトル獲得に王手をかけた。
豊島との対戦成績は、5勝8敗と巻き返している(戦績はいずれも8月15日時点)。王位戦のある関係者は、「第2局で鉄道に乗り、《鉄分》を摂ったのがよかったのかな(笑)」と語った。
藤井は5歳で将棋を覚える前から、鉄道に夢中になっていたという。