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東海大相模や星稜が出場辞退…高校野球関係者に聞いた感染症対策の難しさ「指導者自身も“鼻出しマスク”で」「更衣室だと気が緩み…」
posted2021/08/09 11:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Katsuro Okazawa/AFLO
47都道府県の代表校が決定し、2年ぶりの夏の甲子園が8月10日に開幕する(9日開幕の予定が台風により順延)。感染拡大が続く中、今年は無観客(関係者は会場入りできる)で行われることが決定した。
東京オリンピックが無観客で行われたことを考えれば、五輪閉会式の翌日から始まる予定だった甲子園が無観客になるのはやむを得ないことではある。しかし、新型コロナのリスクは、観客席だけにあるわけではない。
地方紙を検索すると「部活のクラスター」の記事が数多く出てくるし、野球部だけではなくさまざまな部活で複数の感染者が出ている。5月以降に限定しても、20件近い。しかし昨年のように大きなニュースにはなっておらず、校名や部活名も公表されていないことが多い。
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1つには、昨年、クラスターが起こった学校の生徒がアルバイトを解雇されたり、入店を断られたりするなどバッシングが相次ぎ、メディアが配慮したことが大きいと思う。コロナ感染は気を付けていても誰にでも起こるからだ。
もう1つは、この手のクラスターがそれほど珍しいものではなくなったということもあろう。
東海大相模や星稜が出場辞退する事態に
しかし、コロナの脅威は消えるどころか増している。夏の地方大会でも福井商、東海大相模、星稜、中越など有力校でクラスターが発生し、選手権の地方大会出場を辞退する事態に至っている。
筆者は新型コロナの感染拡大以降も、各地の高校野球の取材をしてきた。率直に言って「感染対策の観点だと危ないのでは」と思う状況もあった。ベンチで選手たちは大声を出しているし、練習試合では両校の生徒がマスクもせずに、おしゃべりをしながら仲良くグラウンド整備をしていたりもする。集まって無造作に着替えをしていたりもした。
指導者には、ことさらに新型コロナに関する話はしてこなかったが、実は取材日から記事掲載まで最低でも10日程度は空けるようにしていた。その間に感染が分かれば記事が出ることで迷惑がかかるからだ。
そんな高校野球の現場では、どんな感染症対策をしていたのか?