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「今日はトノサマガエル」ボクシング女子初の金メダル! 20歳・入江聖奈の笑顔と“コメント力”に脱帽
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byNaoya Sanuki/JMPA
posted2021/08/04 20:00
ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した日体大3年生の入江聖奈。会場の雰囲気も味方につけて、頂点まで跳び上がった
決勝の相手は、世界選手権金メダリストのネスティー・ペテシオ。だが入江は王者に対してもジャブで距離を保ちながらカウンターを狙いに行った。彼女のジャブが世界最高峰のテクニックを持つペテシオの素早いステップインを見事に封じる。日本女子が世界で頂点に立つための鮮やかなアウトボクシングを入江は体現してみせた。
大会後の“引退宣言”から程なくして、自身のTwitterでは来年の全日本選手権まで現役を続けるとすぐさま弁明している。大学3年生の入江は、大学でボクシングのキャリアを卒業し、ゲーム会社への就職を考えているようだ。
2024年のパリ五輪でも、まだ23歳。それが本当であれば日本ボクシング界としては惜し過ぎる逸材だろう。メディア対応も自己表現力も、そして表情も秀逸。ボクシングスキルもこれからの選手たちのお手本になる教材だ。
金メダリスト入江聖奈がこれからどんな道を選ぶのか。それは本人のみぞ知るところ。ただ1つだけ言えるのは、おそらくどの舞台でも、彼女が笑えば周囲は笑顔になる……これだけは間違いない。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。