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子役の芸能活動も体操のため 村上茉愛が女子個人初のメダルを獲るまで「リオから昨日まで泣きつくしたというくらい泣きました」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2021/08/03 17:03

子役の芸能活動も体操のため 村上茉愛が女子個人初のメダルを獲るまで「リオから昨日まで泣きつくしたというくらい泣きました」<Number Web> photograph by Getty Images

体操・村上茉愛は女子個人初となるオリンピックメダリストになった。男子が大きな注目を集める中、抱いてきた思いとは

リオ団体で4位は「女子としてすごいこと」

 リオは団体で4位とメダルにあと一歩の成績で終えた。4位になるのは48年ぶりのことだった。

「ミスがあって4位ではないので、いい試合でした。4位は、女子としてすごいことだと思います」

 試合後、村上はこう語っていた。ただその後の個人総合は14位、種目別のゆかでも7位にとどまった。村上は、東京を目指す、と悔しさをかみしめた。

 2017年世界選手権では個人総合で4位となり、ゆかでは日本女子63年ぶりの金メダルを獲得。村上は日本女子体操の中心となっていった。

 女子の第一人者になるとともに、ある思いも湧いた。リオでは「女子としてすごいこと」と思った。ただ男子が4位だったら、どうか。男子だけではないことを結果で示したい。そう意識するようになっていった。

「チームのみんなに申し訳ないです」

 体操を始めたのは3歳のとき。指導にあたったのは、オリンピックに2度出場し計4つのメダルを獲得した池谷幸雄氏。池谷氏に「体操にプラスになる」と勧められたことなどから、テレビドラマの子役など芸能活動をしていたこともあった。それもまた、体操のためだった。

 3歳以来、さまざまな努力を重ねて、ときに怪我に苦しむなどしてようやく迎えた東京五輪。

 団体では予選の8位より順位を3つあげて5位となった。

「私たちなりに頑張ったと思います」と語った一方、「チームのみんなに申し訳ないです」と涙を流した。段違い平行棒でミスをしたことが悔しかった。

 続く個人総合は5位。団体で右ひじを負傷していた。

「(試合の前日の時点で)試合に出るのもどうかと思うくらい」だった。

 でも、「そんなことであきらめたくない」と出場した試合に「思い切った演技ができました」と手ごたえを得た。

 こうして迎えた種目別のゆかだった。この大会での日々、そしてここに来るまでの長い道のりを経ての、試合だった。そこで会心の演技ができたからこそ、村上は晴れやかだった。

【次ページ】 「体操人生の中でいちばんの演技だったと思います」

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