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「あっという間に終わってしまった」なでしこ田中美南、悔しさと危機感と2ゴール…みんなで確かめた“課題”とは? 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2021/08/03 11:01

「あっという間に終わってしまった」なでしこ田中美南、悔しさと危機感と2ゴール…みんなで確かめた“課題”とは?<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

準々決勝で敗退したサッカー女子日本代表。田中美南は2ゴールと結果を出したが、何度も「悔しい」と大会を振り返った

 2019年ワールドカップではベスト16で敗退。そこからの田中らをはじめとするなでしこジャパンのメンバーは、世界との差を埋めるべく日々を過ごしてきた。もともと評価の高い技術に加えて、運動量をさらに上げることを意識。

 そして、今回もパスサッカーを展開した。日本が敗れた準々決勝のスウェーデン戦。パス本数は600本を超え、スウェーデンの倍ほどのパスを繋いだ。パス成功率も85%の数字を残した。しかし、最後のシュートまで持っていく形を作れなかったと田中は悔やむ。

「最後の詰めをどうするか。もっと突き詰めないといけないと思います。私たちは未来の女子サッカーを託されていることもわかっています。今回もチームが解散する時、最後にみんなで確かめ合ったのも、この言葉(最後の詰め)でした。

 私たちは、世界の頂点に立った、あの強かった時代のなでしこの背中を追っているだけではないし、かといって一から新しく生まれ変わるなでしことも違う。先輩たちの勝負強さや貪欲さを見習って、そこに新たな武器を身につけなければ世界では勝てない、そう思っています」

「WEリーグ」で何を見せられるか

 女子サッカー界は今、世界各国が強化を進め、想像を超えるスピードで進化している。この東京五輪で、その現状を体感することとなった。

「東京五輪での経験を所属チームに戻って言葉だけで伝えることは難しい。日々の練習から世界を見据えてプレーしなければならない。WEリーグでも自分の良さを出して、相手チームを圧倒するチームを作り上げたいです」

 今年9月12日からは、いよいよ女子サッカープロリーグ「WEリーグ」が始まる。田中は新リーグの開幕に合わせて、INAC神戸レオネッサに戻ることを選択した。

 あっという間に終わってしまったという東京五輪の中で感じた「なでしこが新たに身につけなければいけない武器」とは一体どんなものなのか?

 今大会の悔しさを糧に闘う姿をファンの皆さんに見届けてもらいたいと話した田中。秋から始まる新リーグで国内チームに復帰した姿がそれを教えてくれるのかも知れない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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