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「ものすごく高ぶっている」まさかの“代表落ち”を超えて57kg級・高橋侑希(27)が挑む男子レスリング“復権”への闘い

posted2021/08/03 20:00

 
「ものすごく高ぶっている」まさかの“代表落ち”を超えて57kg級・高橋侑希(27)が挑む男子レスリング“復権”への闘い<Number Web> photograph by KYODO

高橋(左)は5月の世界最終予選で1位となり五輪出場枠を獲得。6月のプレーオフで逆転の代表入りを勝ち取った

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 2016年リオデジャネイロ五輪以降の世界選手権で4人のチャンピオンが誕生し、東京五輪で“復権”の機運が高まっている男子レスリング。6月に五輪初出場を決めたばかりの'17年世界選手権男子フリースタイル57kg級金メダリスト・高橋侑希(山梨学院大職)が、本番を前に万全の状態を作り上げている。「五輪は小さな頃からの夢だった。今はものすごく高ぶっている。この気持ちを抑え気味にして、本番で爆発できるように調整したい」。大舞台を見つめ、目を輝かせる。

 高校2年生だった'10年、第1回ユース五輪で金メダルを獲得し、将来を嘱望された。以後は順風満帆。大学3年で'14年世界選手権に初出場して5位。翌'15年も世界選手権に出場した。ところが、リオ五輪は出場権を逃し、同階級の樋口黎が銀メダルを手にした。

「日本代表の自覚が足りなかった」とうなだれた高橋だが、挫けることはなかった。リオ五輪代表落ちの失意をバネに'17年世界選手権で男子フリースタイル勢として36年ぶりに優勝。東京五輪出場も一時は風前の灯になったが気持ちを切らさず、今年6月のプレーオフで樋口を下し、出場権を手にした。リオ五輪以降の世界選手権の男子金メダリストの中で、乙黒拓斗(フリースタイル65kg級)と文田健一郎(グレコローマン60kg級)は既に東京五輪出場を決めており、高橋は3人目の代表決定だった。

男子レスリングの覇権を取り戻す闘い

 '17年に筑波大学大学院に入学し、コーチングを学んでいる。休学した期間を挟んで現在2年生。東京五輪後に修士論文を書く予定だ。母校の山梨学院大で指導しながらの選手生活だが、「コーチをやるようになってレスリングを客観視できるようになった」と利点を挙げる。

 ユース五輪から11年がたち、27歳になった。同大会で金メダルを獲得した日本人は高橋を含めて8人。卓球男子の丹羽孝希、柔道女子代表の田代未来に続く3人目のオリンピアンとなる。

「ユース五輪で一緒に活躍した選手がリオ五輪にも出ているのを見て、悔しいという思いはあった。今回、やっと同じ舞台に出るので、結果で勝ってやるという思いです」

 目指すは金メダルのみ。その結果で、女子に押されてきた男子レスリングの覇権を取り戻す。

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