スペシャルウィークのライバルだったグラスワンダーは昨年、種牡馬を引退した。2歳になった産駒は10頭いるが、デビューした馬はまだいない。グラスワンダーは息子のスクリーンヒーロー（ジャパンカップ）が種牡馬として成功し、孫のモーリス（日本と香港でGⅠ6勝）やゴールドアクター（有馬記念。産駒は来年デビュー）も種牡馬になった。2歳馬を見ると、スクリーンヒーローの産駒はウィリン（牝）、ピースオブエイト（牡）という将来性豊かな馬が早々に勝ちあがり、モーリス産駒もアルナシーム（牡）など4頭が新馬戦を勝っている。グラスワンダーは直系の息子と孫をとおしてその血を伝えている。

グラスワンダー　©Tomohiko Hayashi

「祖母ウオッカ、叔母にダイワスカーレット」という夢の配合

　ライバルといえば、牝馬のウオッカとダイワスカーレットである。

　ダイワスカーレットの2歳馬はスカーレットオーラ（父ロードカナロア）という牝馬がいるが、注目したいのは孫のエイカイマッケンロ（牡、父ロードカナロア、母ダイワミランダ）である。セレクトセールで1億1880万円の値がついた逸材は、8月8日に新潟競馬場でデビューしたが、逃げて9着。次走に期待だ。

　アイルランドで繁殖生活をおくっていたウオッカは2年前に15歳の生涯を閉じたが、2歳に孫がいる。レジーフレックス（母ケースバイケース）という牡馬で、父はダイワメジャー、ダイワスカーレットの兄だ。こういう血統の馬が走るから競馬はたのしい。

ウオッカ（左　©Koji Asakura）とダイワスカーレット（右　©Tomohiko Hayashi）

　名繁殖牝馬となったのはエアグルーヴ。没して8年になるが、何頭もの活躍馬をだし、母のダイナカール（オークス）からつづく名門母系を築いた。息子のルーラーシップ（父キングカメハメハ。香港・クイーンエリザベス2世カップ）と孫のドゥラメンテ（父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴ。皐月賞、ダービー）も人気種牡馬となっていて、エアグルーヴの血をひく2歳馬は毎週のように見られる。

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