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「上野由岐子は右手では握手しない」の噂は本当だった “13年ぶり金”のソフトボール、28年ロス五輪での復活はあるか?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byJIJI PRESS
posted2021/07/28 17:15
ライバルの米国代表を2-0で下し、13年ぶりの金メダルを獲得した。上野由岐子は6回途中に降板後、7回から再び救援のマウンドに立った
そして2016年に東京大会での実施が決まったが、上野は、
「北京の後の8年間は、真っ暗な道を歩いていたような感じ」
と表現した。そしてコロナ禍で開催が不透明な状況となり、彼女たちの葛藤はどんなものであっただろうか。
2028年ロス大会での復活はあるか
3年後のパリ大会で球音が響くことはない。野球・ソフトボールは2028年のロサンゼルス大会で復活を望む。
残念なのは、決勝戦の舞台である横浜スタジアムが有観客試合だったなら、オリンピックのソフトボール史上、最高の盛り上がりを見せ、それが最大のアピールにつながったはずだったことだ。それがロサンゼルス大会での復帰に大きな追い風となったことは間違いない。
ソフトボールが置かれた状況は、はかない。
だからこそ、7月27日の夜に起きた守備でのスーパープレー、そして上野の佇まいが神々しく見えた。
2028年の選手たちの人生は、これからは政治に委ねられることになる。