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大谷翔平が“どれだけ打っても”エンゼルスのプレーオフ進出確率は〈6.90%〉!? 2001年のイチローと比較してみたら…
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2021/07/28 06:03
7月25日のツインズ戦にて、久々となる35号ホームランを放った大谷。しかしチームとしては依然厳しい状態が続く
ミナシアンGMは今年の5月、前任者の「負の遺産」であるアルバート・プホルスの今季年俸3,000万ドル(1ドル110円換算なら約33億円、以下同様)の残額をすべて支払わなければならないルールであることを承知で自由契約にした。コスト・パフォーマンスが極端に落ちたベテランを戦力外にすることで、出場選手枠を一つ確保することが目的だったが、それはあくまで、プホルスの契約が今季限りで「プレFA年」だったからだ。
実はエンゼルスにはそういう選手が他にも大勢いて、デクスター・ファウラー外野手や先発のアレックス・コブ投手ら10人前後の選手が、今季終了後にはフリーエージェント(FA)となり、総額約6,269万ドル(約68億9,590万円)が削減できる見込みになっている。前出のプホルスと併せれば総額9,269万ドル(101億9,590万ドル)もの編成予算が「Available=利用可能」となる勘定だ。
「エンゼルス・ファンの正しい姿勢」
だから今年は、そんなに無理することはない。来年や再来年まで契約が残っている有力選手を安価で獲得できるのなら話は別だが、編成予算を考えれば、すでに噂になっている抑えのライセル・イグレシアスを放出して他球団の有望株を獲得するほうが得策だし、契約最終年の先発アレックス・コブやディラン・バンディー、アンドリュー・ヒーニーやホセ・キンタナの両左腕を他球団に引き取って頂いてもいいぐらいだ(買い手があるかどうかは別にして)。
「我々は間違いなく、チームを向上させる方法を探している」
と地元メディアに話しているミナシアンGMだが、今年は大谷の活躍を日々の楽しみにしながら、マイク・トラウトの負傷者リストからの復活や、デビューしたばかりの23歳の新人ブランドン・マーシュ外野手らの若手がメジャーに適応していく姿を我慢強く見守るのが、エンゼルス・ファンの正しい姿勢というものなのである――。
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