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韓国で怖いのは“石直球”の39歳オ・スンファンより勢いのある若手か 日本相手に名将が仕込む策は…〈侍ジャパン対戦国分析〉 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byNaoya Sanuki

posted2021/07/28 06:01

韓国で怖いのは“石直球”の39歳オ・スンファンより勢いのある若手か 日本相手に名将が仕込む策は…〈侍ジャパン対戦国分析〉<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

阪神で“石直球”を武器に活躍したオ・スンファン(呉昇桓)もメンバー入りした韓国だが、警戒したいのは若手か

 34歳のチャ・ウチャンは、通算107勝の韓国を代表する先発左腕だが、国際大会では先発での失敗が多く救援に回っている。今季はやや不振だがその経験は侮りがたい。

オ・スンファンは今季すでに27セーブ

 KBO通算58勝の先発投手ハン・ヒョンヒが出場を辞退したため、急遽39歳のオ・スンファンが招集された。阪神で4勝80セーブ、MLBでも16勝42セーブ。経験十分なベテランだが、今季もKBOで27セーブ。NPBでの印象は「少々打たれてもへこまないタフな投手」だった。

 恐らく韓国は、若手投手をまずは起用するだろうが、通用しないとなるとあっさりとベテラン陣にスイッチしてくると思われる。

打力に優れる捕手、村上みたいなカン・ベクホ

<野手> ※は左打ち
<捕手>
 ヤン・ウィジ/34歳  NC
 73試250打87安20本71点2盗 率.348 OPS1.111
 カン・ミンホ/35歳  サムスン
 70試241打78安11本44点0盗 率.324 OPS.888

 ヤン・ウィジはKBOナンバー1捕手。国際大会の経験も豊富。チームリーダーと言えよう。今季は強打が際立っている。カン・ミンホは強打に加えリードと守備でも定評がある名捕手。韓国の2捕手は、オフェンスでは日本の2捕手(甲斐拓也、梅野隆太郎)よりも勝っている印象だ。

<内野手>
 カン・ベクホ/21歳  KT
 75試271打107安10本61点7盗 率.395 OPS1.072※
 オ・ジェイル/34歳  サムスン
 59試210打58安12本42点0盗 率.276 OPS.856※
 チェ・ジュファン/33歳  SSG
 60試205打52安10本39点2盗 率.254 OPS.786※
 ホ・ギョンミン/30歳  斗山
 69試279打90安4本29点2盗 率.323 OPS.806
 ファン・ジェギュン/34歳  KT
 48試184打58安7本33点4盗 率.315 OPS.864
 オ・ジファン/31歳  LG
 59試210打58安12本42点0盗 率.276 OPS.856※
 キム・ヘソン/22歳  キウム
 80試323打95安3本43点29盗 率.294 OPS.732※

 左打者をずらっと並べてきた印象。

 カン・ベクホは21歳とは思えない柔らかな打撃で長打もアベレージも出せる強打者。NPBでいえば村上宗隆のようなタイプか。キム・ヘソンはリードオフマン候補。ユーティリティだが今季は遊撃に固定され、抜群のミート力で成績を残している。

 オ・ジェイルは今季、斗山からサムスンにFA移籍した。通算147本塁打。長打を打つ技術には定評がある。オ・ジファンは三振は多いがここ一番に強い長距離打者。通算113本塁打をマークしている。

【次ページ】 元MLBのキム・ヒョンスはいるがチュ・シンスは選考外

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