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レアード辞退…ゴタゴタなメキシコだが、元阪神ナバーロやMLB317発スラッガーも… NPB“再仕官”へやる気満々?〈侍ジャパン対戦国分析〉

posted2021/07/28 06:00

 
レアード辞退…ゴタゴタなメキシコだが、元阪神ナバーロやMLB317発スラッガーも… NPB“再仕官”へやる気満々?〈侍ジャパン対戦国分析〉<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2019年、阪神所属時のナバーロ。日本との対戦は“再仕官”のモチベーションもあるかもしれないため要注意だ

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Nanae Suzuki

侍ジャパンが金メダルを目指す東京五輪。果たして他の5カ国の陣容はどんな面々なのか。各国のプレーヤーを紹介する(全6回/侍JAPAN編はこちら)

 メキシコは2019年11月のプレミア12で、アメリカを破って五輪出場を果たした。筆者は東京ドームでこの試合を見たが、メキシコの選手たちは喜びを爆発させていた。本当に良かったと思った。

 メキシコは野球が盛んな中南米の国の1つ。国際大会にもチームを送り込むが、お国柄なのか、ぎりぎりで選手が代わったり、会場到着が遅れたりすることもある。参加する選手の目的は「再仕官」であり、日本や韓国への売り込みもあるという。

 今回もややごたごたしている感がある。

 メキシコにはメキシカンリーグというプロ野球リーグがある。かつてはMLBとライバル関係にあったが、近年はその傘下に入って一応AAAという形になっていた。ただしMLB球団との提携関係はなかった。

 しかし、今季からメキシカンリーグはMLBとの関係を解消し、MLBから見れば「独立リーグ」という扱いになった。チーム数も増えるなどかなり変更されている。

 メキシカンリーグはMLBを退団した選手がやってくることが多い。そのため平均年齢が高く、極端な打高投低が続いている。今季もリーグ平均打率は.290、平均防御率は5.19だ。数字を見る上では、このことも加味する必要がある。

MLBを経験したピッチャー自体は多いが

 7月に入って発表されたロースターを見ていこう。現在の所属チームと、今季前半の成績を入れている。

<監督>
 ベンジー・ギル 48歳

 メキシコを東京五輪に導いた監督はフアン・カストロだが、その後起こった報酬未払い問題などで辞任、メキシカンリーグ球団の監督を務めるベンジー・ギルが後任となっている。

<投手> ※は左投手
 テディ・スタンキーウィッチ/27歳 メキシカンリーグ
 1試0勝1敗0S 2.1回 率15.43
 オリバー・ペレス/39歳 メキシカンリーグ
 5試0勝1敗0S 3.2回 率0.00(インディアンス)※
 マニー・バレダ/32歳 オリオールズAAA
 16試1勝0敗1S 25.1回 率2.84
 ヘクター・ベラスケス/32歳 アストロズAAA
 14試1勝1敗1S 24.2回 率1.46
 ササギ・サンチェス/27歳 メキシカンリーグ
 14試1勝2敗0S 28.2回 率6.28
 セサル・バルガス/29歳  BCリーグ茨城
 10試5勝2敗1S 44回 率1.64
 カルロス・ブスタマンテ/26歳 メキシカンリーグ
 18試0勝1敗12S 19.1回 率3.26
 フェルナンド・サラス/36歳 メキシカンリーグ
 18試1勝0敗9S 18.1回 率0.00
 ダニエル・ドゥアルテ/24歳  レッズA+
 3試0勝1敗1S 3.1回 率2.70
 マニー・バヌエロス/30歳  メキシカンリーグ
 2試0勝0敗0S 5回 率3.60※
 サミー・ソリス/32歳 メキシカンリーグ
 23試3勝0敗0S 19.1回 率1.86※
 フアン・パブロ・オラマ/31歳 メキシカンリーグ
 10試4勝4敗0S 54回 率3.17※

 MLBで実績がある選手は結構いる。問題は「実働可能かどうか」だ。

【次ページ】 DeNA在籍経験左腕はコロナ陽性、日本所属の変わり種も

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