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レアード辞退…ゴタゴタなメキシコだが、元阪神ナバーロやMLB317発スラッガーも… NPB“再仕官”へやる気満々?〈侍ジャパン対戦国分析〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2021/07/28 06:00
2019年、阪神所属時のナバーロ。日本との対戦は“再仕官”のモチベーションもあるかもしれないため要注意だ
通算317発のドラ1、レアードの代役も要注意
エイドリアン・ゴンザレスはアメリカ生まれで2000年、全体1位でマーリンズに入団。MLB屈指のピッチャーズパークであるペトコパークを本拠地にするパドレスで2009年に40本塁打を打って注目された。
通算317本塁打1202打点。打点王1回。しかし2017年頃から急速に衰え、現在はメキシカンリーグでプレー。所属するチームのボスであるベンジー・ギルが代表監督になったこともあり、出場を決めたようだ。実績は素晴らしいが、実力はどうか? なお兄のエドガー・ゴンザレスは巨人でプレーした内野手だ。
本来はロッテのブランドン・レアードの参戦が決まっていた。脂の乗り切った選手であり2017年のWBCでも中軸を打っていたから日本にとっては脅威だったが、7月19日になって辞退した。
ただ代わりに招集されたライアン・ゴインズは、どこでも守れるユーティリティでMLB通算353安打22本塁打。シャープな打者で侮れない。
禁止薬物で契約解除になった“あの助っ人”も
<外野手>
ジョナサン・ジョーンズ/31歳 メキシカンリーグ
17試57打12安1本5点5盗 率.211 OPS.591
セバスチャン・エリザルデ/29歳 メッツAAA(現在はメキシカンリーグ)
22試70打13安1本6点6盗 率.186 OPS.536※
ジョーイ・メネセス/29歳 レッドソックスAA
49試186打56安10本43点0盗 率.301 OPS.938
ホセ・カルドナ/27歳 メキシカンリーグ
43試162打49安3本17点8盗 率.302 OPS.754
ジョーイ・メネセスの名前を憶えているファンも多いのではないか。
マイナーリーガーながらシュアな打撃が光る中距離打者で、2019年オリックスに入団。大いに期待されたが故障で戦線離脱中にNPBが指定する禁止薬物使用が明らかになって契約解除された。汚名をすすぐ意味でも今回は張り切っているのではないか。選手の士気は高いので、侍ジャパンは油断できない。