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「ラン&タッちゃん」バレー男子代表の“大学生”コンビ、東京五輪を意識したのは小学6年生《35歳福澤達哉から託されたもの》
posted2021/07/23 17:04
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
YUTAKA/AFLO SPORT
「ラン」「タッちゃん」
そう呼び合う2人、19歳の高橋藍(日体大2年)と、20歳の大塚達宣(早稲田大3年)が、激しいポジション争いをくぐり抜け、12人にしか与えられない男子バレーボール東京五輪代表の切符をつかんだ。
アウトサイドヒッターは特に激戦だった。これまで代表の中心だった福澤達哉(パナソニックパンサーズ)や柳田将洋(サントリーサンバーズ)がメンバーから外れ、エースで主将の石川祐希(パワーバレー・ミラノ)、ウルフドッグス名古屋で急成長を遂げた攻撃力の高い高梨健太、大塚、高橋の4人が選出された。石川以外の3人は今年国際大会にデビューしたばかりだ。
2008年の北京五輪は、今回代表に入った清水邦広(パナソニック)と福澤が大学4年で出場したが、それよりも若い2人が揃ってメンバー入り。高橋は高校を卒業してまだ1年4カ月。19歳での五輪出場は、日本男子バレーでは最年少だ。
それでも、今年5月の東京チャレンジ(対中国)や、イタリアで開催されたネーションズリーグでは高い対応力を見せた。
小学生で抱いた「東京五輪」という目標
高橋、大塚の2人は仲がよく、代表ではいつも一緒に行動しているという。高橋は1年後輩だが、「タツノリさんのことはタッちゃんって呼ばせてもらってます」と屈託なく笑う。ただ、歳が近い分、「負けたくない」という意識も強い。
2人が五輪を意識するようになったのは小学生の頃。高橋は、小学6年生の時に東京五輪開催が決まり、卒業文集に「東京オリンピックに出たい」と書いた。
大塚は小学6年で日本バレーボール協会のエリートアカデミーに参加したことをきっかけに、五輪で戦いたいという夢を持った。
そこから2人が急ピッチで五輪にたどり着けたのは、高校時代からのライバル関係と無縁ではない。