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「腕が折れようが、何しようが…」北京金メダルから4717日、上野由岐子“38歳ラスト”の熱投 13年越し連覇へ宇津木監督の戦略とは 

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photograph byNaoya Sanuki,Masaki Fujioka/JMPA

posted2021/07/21 19:00

「腕が折れようが、何しようが…」北京金メダルから4717日、上野由岐子“38歳ラスト”の熱投 13年越し連覇へ宇津木監督の戦略とは<Number Web> photograph by Naoya Sanuki,Masaki Fujioka/JMPA

2021年東京五輪と、2008年北京五輪の上野由岐子

 4717日ぶりとなる五輪でのピッチング。上野は初回こそ内野安打と計3四死球で1失点を喫したものの、満塁のピンチを三振とピッチャーゴロで切り抜けた。するとその直後に山本のライト前タイムリーで1-1の同点に。勢いに乗った打線は3回に内藤、4回に藤田、5回に山本がそれぞれ2ランを放って、8-1とコールド勝ち発進となった。

39歳目前で「試合を作った」と豪州メディアも称賛

 4回1/3を1失点とゲームを作った上野。テレビ局「Fox Sports」オーストラリア版のWeb記事では「北京で金メダルを獲得したベテラン投手の上野が試合を作った」とも評されていた。その上野はNHKのインタビューに「もっと大胆にいっても大丈夫だったのに、と反省しきりです」と初回について反省したが「いいスタートが切れたのではないかなと思っています」と語った。39歳を迎える上野にとって、悲願の大舞台。若きメンバーとともに再び金メダルを目指す戦いが始まった。

<名言2>
私はもっと上手くなりたい。そのためには、すごい人たちの中に入って揉まれたい。
(上野由岐子/Number527号 2001年7月12日発売)

◇解説◇
 20年前のコメントである。10代の頃から、“超高校級”のピッチャーとして、上野はつねに特別扱いされてきた。

「上野だから仕方がない」と白旗をあげる対戦相手に物足りなさを感じてもいた。だが、社会人の日本リーグでは、そう簡単に勝たせてもらえない。甘いコースに投げれば確実に打ち返される。そこに上野は喜びを感じていた。厳しい戦いのなかで自らを成長させていったのだ。

【次ページ】 「キャッチャーは第2の現場監督」

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