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大迫傑に17秒届かず…マラソン“補欠”大塚祥平にとっての東京五輪「出番がなくとも、代替レースの予定はない」

posted2021/07/20 17:03

 
大迫傑に17秒届かず…マラソン“補欠”大塚祥平にとっての東京五輪「出番がなくとも、代替レースの予定はない」<Number Web> photograph by AFLO

2019年に開催された、東京五輪の日本代表選考レースのMGCで4位となり、補欠に選出された大塚祥平

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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「内定選手と変わらぬ気持ちで、残りの期間、本番に向けて準備をしていきたい」

 昨年3月の東京五輪マラソン日本代表会見で、こんな決意を口にしていたのが、男子マラソンの補欠に選ばれた大塚祥平(九電工)だった。

 男子マラソンは8月8日午前7時にスタートする。東京五輪のガイドラインには『補欠登録選手は、7月28日以降各種目のファイナルコンファメーション提出期限までは疾病・負傷等の理由に限り代表選手との交替可能』とあり、大塚の出番は代表選手に不測の事態があった時のみ。号砲が差し迫るなか、現状では大塚が走る可能性は低い。

 それでも、急遽の出番に備えて、大塚はひたむきに準備を進めてきている。7月14日に行われたホクレン・ディスタンスチャレンジ2021第4戦北見大会の走りを見ると、代表会見時の決意通り、仕上がり具合は順調と言えそうだ。

東京五輪直前レースで「順調に来ていると思います」

 大塚はこのレースで10000mに出場。目標タイム28分30秒のペースメーカー、アレックス・チェロノ(トヨタ自動車)にぴったりと付いてレースを進めた。

「タイムを求めるというよりも、しっかり体を動かして、追い込んで、かつ、自分の今の状態を確かめるというイメージで走りました」

 結果は28分37秒41で9着。スタート時の気温が24℃と少し蒸し暑く、ペースメーカーが引っ張りきれなかったこともあって、目標タイムよりもやや遅れたが、大塚はレース中も余裕を持って走っているように見えた。それに、6月からは本格的なマラソントレーニングに入っており、「今日のレースの4日前までに30kmから40kmの距離走を6本ぐらい行った」と言う。その疲労もあったはずだ。その中で、この快走だった。

「今は練習もできていますし、本当に順調に来ていると思います」

 大塚自身も手応えを実感していた。フィニッシュ後も疲れを見せず、軽快な足取りだったのも印象的だった。

【次ページ】 大迫に遅れること17秒…東京五輪代表を逃した

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