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木村沙織が明かした主将・荒木絵里香との思い出 初対面は中2、間違えて履いた“絵里香さんの靴下”…「嬉し泣きが見たいです」
posted2021/07/19 11:03
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Ryu Makino/AFLO
間もなく開幕する東京五輪に、荒木絵里香は4度目の出場を果たす。
この記録は日本のインドア女子バレーボール選手として、史上2人目。荒木はなおかつキャプテンを務め、さらには7歳の娘の母としてコートに立つ。
決して大げさではなく、“レジェンド”と呼ぶにふさわしい存在だろう。
荒木のことをそう証言するのは、ともに北京、ロンドン、リオデジャネイロの3大会に出場した木村沙織だ。先駆けて出場したアテネ大会も含め、荒木と同じ4度の五輪出場という快挙を成し遂げている。
「絵里香さんは今のバレー界を引っ張っているし、ここまでの経験も含めて、本当に特別な存在。むしろ私のほうが(五輪4大会出場で)絵里香さんと並べて嬉しいです」
下北沢成徳高では先輩後輩の関係で、Vリーグでは東レでチームメイトに。さらには日本代表、オリンピックと、ずっと荒木と一緒に過ごしてきた。現役引退から4年を経った今、木村は「(絵里香さんといた時間は)一番、素の自分でバレーボールを楽しめていた」と振り返る。
出会いは中学2年
木村が荒木と初めて会ったのは、下北沢成徳高(当時は成徳学園高)の附属中学に通っていた2年生の時。荒木はちょうど高校で入学した頃だった。
練習前に体育館のトレーニング室に入ろうとすると、制服姿で体育館を覗く大きな後ろ姿を見て、ぎょっとした。
「ストレートに言うと、“デカッ”と思って慌てて一度ドアを締めました(笑)。私が高校生になっても絵里香さんは2つ上の先輩だし、当時は普通に先輩・後輩というだけでそれほど仲がよかったわけではないんです。距離が近くなったのは、あの時からですね」