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「紳助さんが冷水をぶっかけるんです」笑い飯がいま明かす初期M-1の“殺気”…スリムクラブには「お前らの勝ちや」
posted2021/07/16 11:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Sankei Shimbun
「紳助さんが出てきて冷水をぶっかける」
――それにしましても草創期のM-1の映像資料を観返すと、控え室もスタジオも今では考えられないくらい殺伐としているというか、殺気立っていましたね。
西田 出番前、緊張でえずいたりしていましたから。
――今も昔もトップバッターのやりにくさに変わりはないのでしょうが、最初の頃のトップバッターは今の比ではないくらいやりにくかったそうですね。
西田 あの頃も前説とかが会場の空気を暖めてくれてはいたんです。でも(島田)紳助さんが出てきて、重苦しい雰囲気で開会宣言して冷水をぶっかける。あれでカチンコチンになるというか、お客さんも、キュッとなってしまうんです。
哲夫 会場も重々しさを出そうとしていて、暗めのセットやった。でも、僕らは2005年と07年、トップバッターやったんですけども、05年から会場が明るくなったんですよ。
――スタジオがテレビ朝日に変わって、セットがド派手になりましたよね(※02~04年はパナソニックセンター有明スタジオだった)。
哲夫 そう、金閣寺みたいに。登場も、せり上がりに乗って出てくるようになった。あれで、だいぶやりやすくなりましたね。あ、これは今までのトップの雰囲気ではないなと思いましたから。それまでは、やっぱりトップはしんどそうでしたね。
「M-1優勝で涙する芸人を見て、もらい泣きする」
――そんな重々しい雰囲気の中、お2人だけは、とにかくふざけよう、ふざけようとしていたのが印象的でした。