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“9年連続ファイナリスト”笑い飯は「M-1を失った10年」をどう生きてきたのか？ 哲夫46歳は「今の方が自由です」
posted2021/07/16 11:01
昨年結成20周年を迎えた笑い飯の西田幸治（47歳、左）と哲夫（46歳）
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Shigeki Yamamoto
「M-1があった10年」と「M-1を失った10年」。昨年、結成20周年を迎えた笑い飯の芸人人生は、そうきれいに分けることができる。
前人未到の9年連続M-1ファイナリストとなった笑い飯は、「あの頃」をどう生きていたのか。そして、「あれから」をどう過ごしたのか。
笑い飯は昨年、20周年記念ツアーを開催する予定だったが、新型コロナの感染拡大により断念。今年、改めて『笑い飯の漫才天国 ～結成20＋1周年記念ツアー～』と題し、全国12箇所を回ることになった。全国ツアーは4年振りのことだ。
2人が「38（サンパチ）マイク」の前に立った時に発する光は、M-1を失った今も少しも衰えていない。いや、むしろ増しているようにさえ見える。（全3回の1回目／#2、#3へ）
前人未到の9年連続M-1ファイナリストとなった笑い飯は、「あの頃」をどう生きていたのか。そして、「あれから」をどう過ごしたのか。
笑い飯は昨年、20周年記念ツアーを開催する予定だったが、新型コロナの感染拡大により断念。今年、改めて『笑い飯の漫才天国 ～結成20＋1周年記念ツアー～』と題し、全国12箇所を回ることになった。全国ツアーは4年振りのことだ。
2人が「38（サンパチ）マイク」の前に立った時に発する光は、M-1を失った今も少しも衰えていない。いや、むしろ増しているようにさえ見える。（全3回の1回目／#2、#3へ）
――昨年の単独ライブを見させていただき、驚きました。単独でのお2人は、M-1のときの2人のまんまなんですね。今もまだ、こんなにばかばかしいことを、こんなに真剣に、こんなに楽しそうにやっているんだ、と。笑いながら、思わずグッときてしまいました。
哲夫 やっぱり僕はベタが好きなんでね。いろいろなものを取り入れてはいるんですけど、行き着くところはやっぱりベタでいいと思うんですよ。
――2年前の単独ライブの映像を見たら、西田さんのボケに、哲夫さんが本気で腹を抱えて笑っているようなシーンがありました。
哲夫 はいはい。涙流して笑ってしまいました。何言うてんのやろと思いながら。
――何度聞いても、そんなに笑ってしまうものなのですか。
哲夫 そんな何回も聞いていないんでね。1回、2回合わせたぐらいのネタだったんで。
西田幸治（以下、西田） 言うことはだいたい決まっているんですけど、それを膨らませるというか、1.2倍ぐらいにして言ったりもするんで。
哲夫 ネタ自体、おもろいし、こんなん聞いて、笑うてるお客さんもおもしろい。お金払うて、こんなクソみたいな言い合いをわざわざ見にきてくれるんや、と。
M-1は4分間の「競技漫才」なんで…
――関東の人は特にですけど、2010年、ラストイヤーのM-1で優勝を飾った以降の笑い飯のことを、あんまり知らないと思うんです。でも、ぜんぜん変わっていなかったんですね。むしろ、年齢を10以上重ねたぶん、やっていることのバカバカしさが、さらに増している気がしました。
