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シャビも「史上最高」と絶賛…ブスケッツの“スゴい中盤のヘソ”ぶり 過小評価されがちも仲間内では信頼と称賛の嵐
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2021/07/06 17:03
バルサとスペイン代表黄金期の中盤と言えばシャビとイニエスタだったが、それをアンカーとして支えたのは紛れもなくブスケッツだ
真価はわかりづらいけど「唯一無二の選手」
「マニュアルどおりのプレーをしていた。守備に関しても、攻撃に関しても、ピボーテがやらなければならないことを、すべてやっていた。彼の価値を認めない人はかなりいる。ベテランなので飽きられているのだろう。だがブスケッツは唯一無二の選手。絶対確実な選手だ」
ブスケッツに対する一般的な見解がルイス・エンリケのそれと異なるのは、飽きられているからではなく、印象の問題ではなかろうか。
派手な行動も物議を醸す言動もないうえ、インタビューに応じることもあまりないので、メディアへの露出はほぼ試合関係のみ。
試合中は常にボールの近くにいるため、たいてい画面には映っているけれど、ボールを持っても先述のとおりワンタッチ、ツータッチで回してしまうため、観る者の視線はすぐ次の選手へ移ってしまう。
ゴール前まで駆け上がることはなく、得点に直接関与することも滅多にないので、頭に残るのはファウルを受けて芝に転がる姿や敵の速攻をファウルで止めてイエローカードをもらう姿ばかり――。
ブスケッツの真価はわかりづらいのだ。
「ブスケッツがいると何もかもが楽になる」
もっとも、目立つことを厭う本人はまったく気にしていない。
「ドアの外から評価するのは難しい。サポーターが違う見方をするのは理解できる。でも、ドアの内側にいる人たちはちゃんと認めてくれている。周囲に絶賛されてスポットライトを浴びるより、その方がずっと嬉しい」
ブスケッツが背後にいることによって、コケのプレーに「窮屈さ」は感じられなくなった。バルサでも彼の恩恵に浴するペドリは、より自由で大胆になった。
仲間の力になることを好み、それをピッチに立つ最大の動機としてきた彼は、そういうことこそを大事にしているのだろう。
「ブスケッツがいると何もかもが楽になる」
フェラン・トーレスがスロバキア戦後に口にしたこの言葉こそが勲章なのだろう。そんなブスケッツについて、最近シャビはこう語っている。